トヨタ水素HV車の公道実証、徳島県で全国初開始
トヨタ水素HV車の公道実証、徳島県で全国初開始

徳島県とトヨタ自動車は、水素エンジンを搭載したハイブリッド(HV)車の技術実証を始めた。ガソリンの代わりに水素を燃やしてエンジンを動かす。県によると、公道を走る実証は全国初の試みで、県内のホテルや大学が業務で使って燃費や走行距離などを測り、実用性や課題を検証する。

実証内容と車両の特徴

実証に使われるのはトヨタのハイエース(定員10人)を改造した1車両。水素で作った電気でモーターを回す燃料電池車(FCV)と違い、一般的なガソリン車と同じエンジンを水素を燃やして動かす。燃焼時に二酸化炭素をほぼ排出しないため、環境に優しいのが特長だ。

日本の自動車産業が得意とするエンジン技術を活用できるうえ、FCVよりも低純度の水素で動かせることから、コストの低減も可能となるという。水素は次世代のエネルギーとして国を挙げて研究開発が進んでいる。電気自動車(EV)が普及する中、水素エンジン車は将来の移動手段として期待が集まる。

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全国初の実証が徳島で行われる背景

全国初の実証が県内で7月上旬から開始された背景には、化学メーカー東亜合成(東京)の徳島工場(徳島市)に隣接する水素ステーションの存在がある。同工場で食塩を電気分解する際に発生する水素を供給しており、全国で唯一「地産地消」の水素を活用できるとして、トヨタが県に実証を提案した。

実証には県の呼びかけで県内の4ホテル事業者と徳島大、四国大がパートナーとして参画。業務用車両として交代で使用し、燃費や走行距離などのデータや乗り心地などユーザーの声を集める。

ホテルでの活用と今後の展望

鳴門市のホテル「アオアヲ ナルト リゾート」では、宿泊客の送迎車両として活用し、担当者は「ホテルは国立公園にあり、環境への配慮は意識しているので、ぜひ協力したい」としている。

トヨタは水素エンジン車を2021年に開発。豪州などで技術実証を続け、環境性能に厳しい欧州市場向けに、HV車への搭載も試している。一度の補充で走れる距離は約250キロ・メートルで、市販のEVの600~700キロ・メートルとはまだ差がある。現状では限られる水素の補充施設の整備も課題だ。

実証期間は12月22日までの約半年間を予定する。県サステナブル社会推進課は「徳島での実証で、新技術の実用化を後押ししていく」としている。

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