需給調整市場にテコ入れ、一部商品の上限価格を引き下げへ 第4回電力安定供給WG
需給調整市場にテコ入れ、一部商品の上限価格を引き下げへ

需給調整市場では多くの商品・エリアで応札不足による約定量の未達が発生し、調整費用の高騰などが問題となっている。資源エネルギー庁はこうした状況を受け、一部商品の上限価格を引き下げる方向だ。

市場の現状と課題

電力の周波数を維持し安定供給を実現するためには、適切な調整力の確保が不可欠である。調整力の効率的な調達を目的として、2021年に需給調整市場を開設し、2024年4月には全ての商品(一次・二次①・二次②・三次①・三次②、一次~三次①の複合商品)の取り引きが開始された。しかしながら、需給調整市場では、多くの商品・エリアで応札不足による約定量の未達が発生し、調整費用の高騰も大きな問題となった。

2026年度からの変更点

このため、調整力応札量の増加策の一つとして、2026年度(※)から、従来の週間商品(一次~三次①、複合商品)を前日取引へ移⾏させるとともに、取引単位は従来の3時間ブロックから30分コマへと変更(30分化)された(※正確には、一次~三次①の前日取引が開始される2026年3月13日の取引(3月14日受渡分)以降)。

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また、従来は3パターン相当量を募集してきた一次・二次①・複合商品の募集量を1パターン相当量まで削減するとともに、調整力調整費用の高騰を防ぐため、上限価格を19.51円/kW·30分(=39.02円/kW·h)から15円/kW·30分(=30円/kW·h)へと引き下げた。

今後の見通し

資源エネルギー庁では、前日取引化後の市場への応札状況をモニタリングし、市場における競争状況に改善が見られない場合、募集量の見直しや上限価格を10円¢kW·30分、7.21円/kW·30分へと段階的に引き下げることとしている。

「電力安定供給ワーキンググループ(WG)」の第4回会合では、2026年7月3日までの取引実績を報告するとともに、上限価格の引き下げ案が示された。

前日取引化後の募集量・応札量の変化

需給調整市場における取引実績の確認対象期間は、図1のように、前日取引化の前後28日間で区切り、前日取引化前(2/14~3/13)、期間①(3/14~4/10)、期間②(4/11~5/8)、期間③(4/11~5/8)、期間④(4/11~5/8)としている。

市場調整費用抑制のため、2025年6月以降、週間商品(一次・二次①・二次②・三次①・複合商品)において、余力による調整力確保見込み量を織り込んで市場の募集量を削減する、市場外調整力の活用を行っていた。

前日取引化に伴い、市場外調整力の活用を終了したことにより、複合商品の募集量が一旦増加したが、東京・中国エリアでは渇水準備契約により募集量を減少させたことにより、市場全体での募集量も減少傾向にある。

また期間④(6月)は、期間①~③(3月~5月)と比べ、電力需要が増加したことや梅雨期の太陽光発電の出力低下により、火力電源の起動量が増え、稼働済み電源の持ち下げ等による需給調整市場への応札が増加した。

これにより、複合商品・一次のいずれも、応札量は増加傾向、不足率は減少傾向にあるが、コマ単位では不足の発生が継続している。

なお、期間①~④はいずれも電力需要が少ない期間(端境期)であり、今後、高需要期に向けて、端境期に工事や点検等を行っていた電源が稼働し、供給力として活用可能な電源が増加する見通しである。ただし、需給調整市場の前日商品は、JEPXスポット市場の後に取引されるため、需給調整市場への応札量は、JEPXでの約定結果次第で増減することとなる。

このため、発電事業者へのヒアリングでは、高需要期における需給調整市場への応札量の増減や応札価格の水準について、予測は困難との回答が多く寄せられている。

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