営農型太陽光発電の制度改正、パブコメ3件を公開 事業者への影響と今後の見通し
営農型太陽光発電の制度改正、パブコメ3件を公開 事業者への影響と今後の見通し

「営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)」の制度改正に関する3件のパブリックコメントが、8月22日を提出期限として公開された。2025年5月から始まった議論は、2026年4月に開かれた検討会の第6回会合で取りまとめられ、農山漁村再生可能エネルギー法を軸とした制度改正が進められている。

制度改正の概要

今回の制度改正では、営農型太陽光発電の実施に必要な手続きが、従来の農地法による一時転用許可から、農山漁村再生可能エネルギー法による設備整備計画の認定と、農地法による一時転用許可という仕組みに移行する。発電事業者は、国が示す基本方針に沿って、各市町村が策定する基本計画に適合する形で設備整備計画を策定・申請し、市町村の同意(さらに農地農業振興会議による一時転用許可)を受けることで、営農型太陽光発電設備の新設が可能になる。

基本計画を定めていない市町村では、新たに営農型太陽光発電事業を行うことができなくなる。一方で、国が基本方針で定める営農や設備に関する要件について、科学的根拠を示すことで市町村が独自の基準を基本計画で定めることもできる。そのため、重要となるのは国の基本方針に何が示されるのか、それに応じて市町村がどのような基本計画を独自に策定するのかという点だ。

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パブリックコメントの概要

今回のパブリックコメントでは、営農型太陽光発電の一時転用許可の条件を「農山漁村再生可能エネルギー法における設備整備計画認定の見込みがあること」に整理するという農地法施行規則の改正、農山漁村再生可能エネルギー法施行規則の改正案、農山漁村再生可能エネルギー法の設備整備計画の認定に関する省令改正案、農山漁村再生可能エネルギー法に基づく基本方針の改正案の3つが公開されている。

農地法施行規則並びに農林水産省の関係する再生可能エネルギー電気の発電の促進に関する法律施行規則の一部を改正する省令案、農林水産省の関係する再生可能エネルギー電気の発電の促進に関する法律に基づく設備整備計画の認定等に関する省令の一部を改正する省令案、農林水産省の関係する再生可能エネルギー電気の発電の促進による農山漁村の活性化に関する基本的な方針を改正する件の案について、意見が募集されている。

施行期日と経過措置

制度の根幹を示す農地法施行規則並びに農山漁村再生可能エネルギー法施行規則の改正案は、令和9年4月1日を施行期日としている。ここでは既存の一時転用許可による営農型太陽光発電事業は、従来通りの手続きで再許可を受けることになる点や、新制度への移行の経過措置として、基本計画が策定されていない市町村においては施行から4カ月間は従来通りの一時転用許可申請が可能であることなどが規定されている。

農山漁村再生可能エネルギー法の設備整備計画の認定に関する省令改正案では、新たに設備整備計画の申請様式が定められており、内容としては従来の一時転用許可申請で求められていたような設備や営農計画に関する事項が示されている。設備整備計画に関するパブリックコメント案の様式2では、営農計画を5年分のみ記載するようになっているのが気になるポイントだ。

そして、農山漁村再生可能エネルギー法に基づく基本方針の改正案は、いわゆる「営農型太陽光発電」に関する議論が取りまとめ反映されたものとなっており、検討会第6回資料の時点からもいくつか変更されている部分がある。主な点を列挙すると、以下の通りになる。

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  • 遊休農地を再生利用する場合の収量規制について、従来制度を踏襲
  • 地域計画の区域内に設置する際の営農者の要件の変更
  • 架台設計に際して、支柱間隔ではなく「農作業機械の通路の幅」をおおむね4m以上確保することと修正
  • 栽培品目の生産・販売実績を「年間」50万円以上と追記
  • 栽培作物の品質要件について、従来制度を踏襲
  • 適正な利益還元の対象を営農者及び地域住民と明記
  • 国が営農型太陽光発電に関する新たな技術を含む更なる知見の収集・検証や、その情報提供等に努める旨を追加

他にも細かい文言の追記・削除といった変更があり、この3カ月ほどの間でも農林水産省内部でさまざまな議論・整理が行われてきたことがうかがえる。「実質1年」の猶予で本当に「営農型太陽光発電」は可能なのか、今後の動向が注目される。