原子力発電所で使い終わった核燃料から出る「核のごみ」の処分方法が課題となっている。使用済み燃料の多くは再処理して原発で再利用できるが、約5%は使い道のない廃棄物となる。このごみは強い放射線を放ち、人が近づくと短時間で命を落とす危険があるため、安全な処分が不可欠だ。
地下深くでの「封印」と調査の段階
処分方法として、ガラス原料と混ぜて固化し、金属容器や粘土で包んだ上で、安定した岩盤の地下300メートル以上に施設を建設し「封印」する案が検討されている。放射線の影響が落ち着くまで数万年間、人が近づかない環境で保管する。
処分地の選定には、火山や活断層がないといった条件があり、国は専門的な調査を進めている。8月末には茨城県常陸大宮市に調査の申し入れを行った。
調査は3段階で実施される。第1段階は文献調査で火山活動の記録などを確認(約2年)、第2段階は地面を掘削して地質を調査(約4年)、第3段階は地下深部に施設を建設して精密に調査(約14年)する。
全国の状況と今後の見通し
既に北海道の寿都町と神恵内村、佐賀県玄海町、東京都小笠原村南鳥島の4か所で第1段階の調査が行われている。国は常陸大宮市にも申し入れ、市の受け入れ判断を待っている。
調査には20年以上かかり、国は首長の同意を得てから次の段階に進む方針のため、さらに時間がかかる見通しだ。一方で、使用済み燃料は各原発や青森県六ヶ所村の再処理工場のプールで保管されているが、容量には限りがある。燃料の再利用を進める上でも、早期の最終処分地確保が必要とされている。
海外では、フィンランドが南西部のオルキルオト島を最終処分地とし、世界で初めて処分場の利用開始が見込まれている。諸外国では5~10か所の候補地から選定することが多く、日本政府が他の自治体に申し入れる可能性もある。



