厚生労働省は1日、労使合意で月45時間超の時間外労働(残業)が可能な企業に対しても、一律で45時間以内とするよう求めてきた指導を取りやめた。上野賢一郎厚生労働相はこの日の閣議後会見で「事業場の実態や、健康福祉確保措置の状況を踏まえた監督指導を行うためだ」と述べた。
特別条項を盛り込んだ企業への指導見直し
労働基準法では、労使が「36(サブロク)協定」を結ぶと時間外労働が月45時間以内、さらに「特別条項」を盛り込むと、休日労働を含め月100時間未満などの残業が可能となる。だが、労働基準監督署は健康障害の関連性が強まるなどとして、特別条項を盛り込んだ企業にも45時間以内とするよう求めてきた。
自民党の提言や経済界の要望を受けた見直し
残業指導の見直しは、自民党の提言や経済界の要望を受けたものだ。企業の健康確保の措置を重点的に確認するとしている。上野氏は「(月100時間未満などの)時間外労働の上限規制そのものを変更するものではない」「引き続き長時間労働の是正を求めていく」と強調した。
36協定の締結に関する相談・支援も盛り込む
今回の見直しには、36協定の締結に関する相談・支援も盛り込まれた。労基署と、全国47都道府県にある働き方改革推進支援センターが連携して企業の協定締結などを支援する。上野氏は「労働時間制度への正しい理解を図ることが重要」とした上で、「(企業が)時間外労働を行わない選択をする場合に、36協定の締結を誘導するものではない」と理解を求めた。



