米財務省は1日、ベッセント財務長官と日本銀行の植田和男総裁の会談概要を公表した。ベッセント氏は植田氏に対し、「円の大幅な過小評価に対処するため、日本が断固とした市場・金融政策上の措置を講じることを強く支持する」と語り、円安是正に向けた日銀の利上げに期待感を示した。
会談の内容と背景
会談は8月30日、主要20か国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の開催地である米ノースカロライナ州アッシュビルで行われた。ベッセント氏は自身のX(旧ツイッター)で、植田氏と日本の金融政策の正常化について議論を交わしたと明らかにした。
ベッセント氏は「インフレ(物価上昇)期待を安定させ、過度な為替の変動を回避するには、金融政策を適切に策定し、発信することが重要だ」と強調した。
市場への影響と懸念
1日の東京債券市場では、日本の長期金利が30年ぶりに3%を超えた。円相場は1ドル=160円台で推移している。ベッセント氏は、円安や日本国債の下落(金利は上昇)が、米長期金利の上昇に波及することを懸念しているとみられる。
記者団に日本の金利上昇を問われると、「金融市場は多くの変数が絡むため、背後の要因を分析するのは非常に難しい。日本は正しい措置を講じている」と話した。
植田総裁の見解
一方、植田氏はG20閉幕後の記者会見で会談について「有益な議論を行うことができた」と述べた。ただ、議論の中身は「ノーコメント」とした。
足元の金利動向に関しては、中東情勢などを理由に挙げつつ「グローバルな金利上昇につれた動きと見ている」との見解を示した。追加利上げを含む今後の金融政策運営に関しては、「次回の金融政策決定会合を含め、毎回の会合でしっかり議論したい」と語った。



