現地時間7月29日午後2時(日本時間30日午前3時)、FRB(米連邦準備制度理事会)のウォーシュ新議長にとって2度目のFOMC(米連邦公開市場委員会)の決定文が公表される。先物価格から政策金利の市場予想を推定するCME(シカゴ・マーカンタイル取引所)のFedWatchによれば、今会合で0.25%ポイントの利上げが行われる確率は35.8%(現地時間27日12時現在)と無視できない水準だ。
読者の中には「トランプ大統領のこれまでの度重なるFRBへの利下げ圧力を考えれば、トランプ氏が指名したウォーシュ議長が2度目の会合で利上げを行うとは考えられない」と感じる方も多いだろう。筆者も結論としては同じ意見だが、現在の市場でFRBの「利下げ」期待はすでに払拭されている現実を理解しておく必要がある。
フォワードガイダンス廃止で金融政策は読みにくくなった
市場が今回の会合ではないにしても、次のFRBのアクションを利下げではなく利上げと読む背景には、アメリカがイランとの停戦合意を事実上破棄したことで中東情勢が再び悪化し、原油高などでインフレ圧力の緩和期待が剥落したことがある。
しかし、実体経済面では6月の雇用統計で非農業部門就業者数の伸びが市場予想を大きく下回ったり、住宅市場でも需要の後退の兆しが見られたりするなど、強気の指標ばかりではない。それでも市場が利上げ方向に傾く理由の1つに、ウォーシュ議長が就任早々打ち出した改革の影響があるとみられる。その1つが、フォワードガイダンスの廃止である。
ウォーシュ議長の初の議会証言でわかったこと
ウォーシュ議長は7月14日、就任後初の議会証言に臨んだ。この証言を通じて、同議長がバランスシート縮小に強い意欲を持っていることが明らかになった。市場はこの意欲を過小評価している可能性がある。
バランスシート縮小の本気度を市場が過小評価している場合、インフレ抑制を急げば株式市場への影響は甚大になる。今後のFOMCの動向が注目される。



