セ・リーグ脱炭素ナイター、JERAが狙う一石二鳥の戦略
セ・リーグ脱炭素ナイター、JERAの一石二鳥戦略

日本最大の発電会社でセ・リーグのスポンサー企業であるJERAは、各球団と協力し、太陽光発電の電力を活用した脱炭素ナイターを今シーズンから開始した。JERAがゲームスポンサーを務める脱炭素ナイターの巨人戦には、地元の観客が大勢訪れた。

脱炭素化へ、目指すは行動変容

脱炭素ナイターの試合で使用される電力は、JERAグループの太陽光発電所「JERA×セ・リーグみんなのソーラーパーク」(福島県)で発電された電力の環境価値を各球団が購入するという仕組みだ。これは、仮想的に脱炭素電力を使用した形で、企業がゼロ・エミッション電源の活用を進めるために広く行われている手法である。

JERAはセ・リーグのスポンサーとなって7年目を迎え、今シーズンから試合観戦を通じて脱炭素電源の重要性を観客に訴えるとともに、国民の行動変容を促すことを目指している。

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「外資系?」知名度不足に悩む

JERAは関係会社の「JERA Nex bp Japan合同会社」を通じて、青森県で洋上風力発電計画を進めている。国が進める洋上風力発電計画の入札に参加し、2030年6月に運転開始予定だ。このほか、JERAグループは、秋田県男鹿市、潟上市及び秋田市沖の案件も落札し、2028年6月運転開始を目指している。

しかし、JERAは当初、外資系と誤解されるほど地元で認知度が不足していた。このため、6月に脱炭素ナイターとして弘前市で開催された巨人戦では、球場周辺に特設ブースを出展して事業を紹介し、青森の特産品などが当たる抽選会など、知名度と事業への理解の向上に取り組んだ。

地元へ拠出金、関係構築の足がかりに

また、国の制度に基づき、出力規模と事業期間から共創資金を30年間、地元に拠出する予定だ。ポイントは、拠出金が一時的に地元経済を潤すだけのバラマキにならないようにすることだ。漁業関係者や地元企業などとの密接な関係づくりが重要で、今回の洋上風力発電の事業計画では、一次産業の育成や後継者不足の解消など、将来の地域発展や人口減対策につながる使途を地元に決めてもらう。子供向けの職業体験や地域の要望を聞き取りながら地元産品の販売促進も支援する。

洋上風力発電計画を巡っては、三菱商事連合が資材高騰の影響から落札していた3事業すべてから撤退し、地元には洋上風力発電計画に懐疑的な見方も出ていた。こうした中での脱炭素ナイターの実施は、脱炭素電源である洋上風力発電の事業計画が着実に進んでいく姿を示すことにつながるかもしれない。多くのファンがいるプロ野球を通じて、脱炭素社会に向けた国民の意識を変えることが期待される。

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