中東情勢受け、石油備蓄の在り方見直しへ 経産省が新WG
中東情勢受け石油備蓄の在り方見直し 経産省WG

経済産業省は、石油製品の供給構造強化に向けた新たなワーキンググループ(WG)を設置し、中東情勢の影響を踏まえた今後の石油供給の在り方について検討を始めた。ホルムズ海峡情勢の緊迫化を受け、日本の石油調達量は一時大きく減少したが、国家備蓄の放出や代替調達により7~8月の調達率は前年同期比で約10%まで回復する見込み。

ホルムズ海峡情勢がもたらした課題

2026年2月のパレスチナ・イスラエルによるイランへの攻撃や、イランから周辺国のエネルギーインフラへの攻撃により、友好国の石油供給力の減少や、船舶がホルムズ海峡を通行することが困難な状況が続いている。これにより日本の石油調達量は一時大きく減少したが、国家備蓄の放出や代替調達に取り組んだ結果、7月・8月の調達率は前年同月比で約10%まで回復する見込みとなっている。

ただし、ホルムズ海峡紛争後の石油調達先の切り替えは、不確実性や追加コストを伴うものであり、特定の輸送経路への依存度が高いことによるリスクが顕在化したと言える。平時から石油の調達先の多角化を進め、特定経路への依存度を低減する必要性が指摘されている。

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石油備蓄の現状とWGの役割

石油備蓄法に基づき、日本は1975年に石油備蓄法を制定し、国家備蓄や民間備蓄等の拡充を図ってきた。ホルムズ海峡紛争前の2026年2月末時点、日本は備蓄法基準で、国家備蓄145日分、民間備蓄91日分、産油国共同備蓄6日分、合計約243日分を確保していた。

政府はまず国家備蓄から約1カ月分の石油放出を決定したが、これが実際に放出され製油所に輸送されるまでの期間においては、機動的かつ柔軟な民間備蓄を活用するため、民間備蓄義務量を70日分から55日分に引き下げた。その後、国家備蓄・産油国備蓄の石油が全国の製油所に届き始める4月中旬以降は、主に国家備蓄・産油国備蓄を活用することで、民間備蓄水準は回復に向かった。

なお、現在IEA加盟国は、IEA基準(※)で90日分の備蓄を保有することが義務付けられており、日本ではこれを国家備蓄枠で保有している。今回の国家備蓄放出により、備蓄量は80日分程度(IEA基準)まで減少したため、早期の回復が必要とされている(※備蓄日数の計算は、IEA基準ではタンクのデッドストックを控除するのに対し、備蓄法基準ではデッドストック分を含めるという違いがある)。

今後の備蓄の在り方

また、石油備蓄法の対象とされていないナフサの供給不安から、シンナー・塗料等の幅広いナフサ関連製品では供給の偏りや買い占め等の流通の目詰まりが生じたため、石油備蓄の在り方についても見直しが問われている。

このため経済産業省では、新たに「石油製品の供給構造の強化ワーキンググループ(WG)」を設置し、今回の中東情勢により顕在化した課題への対応策について検討を開始した。

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