資源エネルギー庁の「分散型エネルギー推進戦略ワーキンググループ(WG)」の第4回会合が開かれ、蓄電池やデマンドレスポンス(DR)の現時点での運用状況が報告されるとともに、今後の対応の方向性が議論された。
家庭分野における蓄電池とDRの現状
家庭に設置された高効率給湯器やEV、家庭用蓄電池などは、本来の用途を損なわない範囲でDRを行うことで、分散型エネルギーリソース(DER)として活用されることが期待されている。家庭の低圧リソースは1軒あたりのDR量は少ないものの、ストック台数は1,000万台規模であり、今後もさらなる増加が見込まれる。
ただし、現時点でクラウドなどへ接続している(遠隔操作などが可能である)リソースは限定的であり、これらのDRポテンシャルは合計約300万kW程度に留まる。今後のDRポテンシャル拡大のためには、機器のクラウド接続率の向上やDR ready機器の普及が重要と考えられる。
また、需給調整市場では、2026年4月から低圧リソース及び機器個別計量による応札が可能となった。ただし、機器個別計量については、原則として特例計量器などの計量データを無線端末経由で第2世代スマートメーターのIoTルートを介してデータ収集する必要があるが、現時点で無線端末の認証や量産がされておらず、現実的に参加できる状態とはなっていない。
産業分野におけるDRの実施状況
省エネ法は2022年改正により、法の目的に「電気の需給の最適化」を追加し、一定規模以上のエネルギーを使用する特定事業者に対して、エネルギー使用状況(DR実施日数)などの定期報告を義務付けている。2025年度報告(2024年度実績)において、約14,700件の工場・事業場のうち、DRを実施した工場などは約3,200件(約22%)であり、これらの平均DR実施日数は37.7日であった。
また、2025年度報告(2024年度実績)から任意項目として「DRの実績値」及び「DRの実施に活用した設備」が追加され、回答者のDR実施量のうち、下げDRが約2/3を占めた。
さらに、アグリゲーターとDR契約を締結している指定工場などの件数は全体の4割強であるが、これらが全業種合計の下げ/上げDR実施量(kWh)の9割強を占めた。
特定卸供給事業者の現状と今後の展望
現時点で、特定卸供給制度に基づく届出を行っているアグリゲーター(特定卸供給事業者)は145社であり、それらの合計供給能力は約6.1GWに上る。特定卸供給事業者の属性としては、発電・小売などの電気事業者以外にも多種多様な業種からの参加が行われている。
WGでは、需給調整市場や需給調整市場におけるDRの活用状況などについても議論が行われた。今後も、分散型エネルギーリソースの活用に向けた検討が続けられる。