欧州中央銀行(ECB)は23日、定例理事会を開き、政策金利を据え置いた。6月の物価上昇率は減速しており、利上げを急がず、再び上昇してきた原油価格の動向を注視する構えだ。
民間銀行がECBにお金を預ける際に適用する「中銀預入金利」を2・25%のまま維持する。ラガルド総裁は23日の記者会見で「(経済の)不確実性は依然として高い。エネルギーショックによるインフレ(物価上昇)への影響はまだ完全には表れていない。影響を監視している」と述べた。
物価上昇率は減速も、原油価格が再び上昇基調
ユーロ圏の物価上昇率は、2月末の米国とイスラエルによるイラン攻撃前まで前年同月比2%前後で推移していた。5月には3・2%まで加速したが、6月は、エネルギー価格が落ち着いたことで2・8%と減速した。
ただ、7月に入り、米国とイランは対立姿勢を強めており、原油価格は再び上昇基調で、ECBはエネルギー価格の動向に神経をとがらせている。ECBには2022年のロシアによるウクライナ侵略後、利上げが遅れ、持続的なインフレにつながったという苦い記憶が残る。
中東情勢悪化で前回利上げ、市場は9月追加利上げを予想
中東情勢の悪化に伴うインフレに対応するため、ECBは前回6月の会合で2年9か月ぶりに利上げに踏み切った。ECBの調査によると、家計が予測する1年後、3年後の物価上昇率はそれぞれ3・5%、2・9%と、物価目標の2%を大きく上回る。
市場では、ECBが次回9月会合で利上げするとの見方が広がっている。ドイツの銀行大手コメルツ銀行のマルコ・ワグナー氏は「家計のインフレ期待は高く、9月は再び利上げに転じる可能性が高い」と指摘する。



