EVシフト加速、中国が世界の電池生産を独占する現実
EVシフト加速、中国が電池生産を独占

電気自動車(EV)の普及に不可欠な電池の生産で、中国が圧倒的なシェアを誇っている。2023年の世界のEV電池生産能力のうち、中国は約73%を占めると推定され、欧州や北米との差は広がる一方だ。

中国が世界の電池生産を独占する理由

中国の電池メーカーである寧徳時代新能源科技(CATL)と比亜迪(BYD)は、世界トップ10のうち2社で全体の約50%を生産。中国政府の強力な産業政策と豊富な資源、大規模な生産設備が競争力の源泉だ。一方、欧米メーカーは生産拡大に苦戦しており、欧州連合(EU)は域内生産比率を2030年までに現在の約20%から40%に引き上げる目標を掲げるが、実現は不透明だ。

日本の立ち位置と課題

日本は、パナソニックホールディングスがテスラ向けに供給するなど一定の存在感を示すが、世界シェアは10%未満。しかし、電池材料では高い競争力を持ち、正極材やセパレーターなどで世界シェアの上位を占める。自動車メーカーは、トヨタ自動車が全固体電池の実用化を目指すなど、次世代技術で巻き返しを図る。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ
「日本は材料技術で強みを持つが、量産体制の構築が急務だ」と、業界関係者は指摘する。

資源確保と地政学リスク

電池の主要原料であるリチウムやコバルト、ニッケルの供給は、中国が精製工程でも大きなシェアを握る。例えば、リチウムの精製能力では中国が世界の約60%を占める。この依存は、地政学リスクを高める要因となっている。米国は、友好国とのサプライチェーン構築を進めるが、コスト面で中国に太刀打ちできないのが現状だ。

今後の展望

国際エネルギー機関(IEA)は、2030年までに世界のEV電池需要が2022年比で約7倍に増加すると予測。これに対応するためには、生産能力の大幅な拡大が必要だが、環境規制や労働問題も絡み、容易ではない。日本企業は、材料供給の優位性を生かしつつ、生産技術の革新やリサイクル技術の開発で差別化を図る戦略が求められる。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ