米国株式市場が軟調な展開を見せている。長期金利の上昇を背景に、FRB(連邦準備制度理事会)の早期利下げ観測が後退したことが主因だ。S&P500種株価指数は3週間ぶりの安値を記録し、ダウ工業株30種平均も下落した。
堅調な経済指標が利下げ期待を抑制
先週発表された12月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比で予想を上回る増加を示し、失業率も低下した。また、ISM非製造業景況指数も市場予想を上回る結果となり、サービスセクターの堅調さが確認された。これらの指標は、FRBが利下げに踏み切る必要性が低いとの見方を強めた。
さらに、複数のFRB当局者が相次いでタカ派的な発言を行ったことも、市場の利下げ期待を冷ました。例えば、ウォラー理事は「利下げを急ぐ必要はない」と述べ、ボウマン理事も「インフレが再加速するリスクがある」と警告した。これらの発言を受け、フェデラルファンド金利先物市場では、3月の利下げ確率が50%を下回る水準に低下した。
長期金利上昇が株式市場に圧力
こうした中、米長期金利は上昇。10年物国債利回りは一時4.7%台まで上昇し、約4カ月ぶりの高水準となった。金利上昇は、特に成長株やハイテク株の評価を圧迫する。実際、ナスダック総合指数は下落率が大きくなった。
「金利上昇は株式市場にとって逆風だ。特に、将来のキャッシュフローを割り引く影響が大きいグロース株にとっては厳しい環境が続く」と、アナリストは指摘する。
今後の見通しと注目点
今週も複数のFRB当局者の講演が予定されており、その発言内容が市場の方向性を左右する可能性がある。また、12月の消費者物価指数(CPI)の発表も控えており、インフレの動向が注目される。もしCPIが予想以上に強い結果となれば、利下げ観測はさらに後退し、株式市場の調整が続く可能性がある。
一方で、景気が堅調であることは企業収益にとってプラスであり、業績が好調な銘柄への選別買いが進む可能性もある。市場は当面、金利と景気のバランスを見極める展開が続きそうだ。



