EVシフト加速もガソリン車の需要は依然根強い、新興国市場が牽引
EVシフト加速もガソリン車需要根強い、新興国が牽引

世界の自動車市場で電気自動車(EV)への移行が加速しているが、ガソリン車の需要は新興国を中心に依然として根強いことが、国際エネルギー機関(IEA)の最新報告で明らかになった。2023年の世界新車販売に占めるEVの割合は18%に達し、前年の14%から拡大した。しかし、ガソリン車の販売台数は前年比で約1%増加し、約6400万台を記録した。

新興国がガソリン車需要を牽引

IEAの報告書「Global EV Outlook 2024」によると、ガソリン車の需要を牽引しているのはインドや東南アジア諸国などの新興国だ。これらの国々では充電インフラの整備が遅れており、EVの購入コストも高いことから、依然としてガソリン車が主流となっている。インドでは2023年の新車販売のうちEVはわずか2%で、残りの98%はガソリン車やディーゼル車が占めた。

一方、中国や欧州、北米などの先進国ではEVの普及が急速に進んでいる。中国では2023年の新車販売に占めるEVの割合が35%に達し、世界最大のEV市場となった。欧州連合(EU)では22%、米国では9%と、地域によって差が大きい。

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ガソリン車の寿命はまだ長い

IEAのファティ・ビロル事務局長は、「EVの普及は加速しているが、ガソリン車がすぐに消えることはない。特に新興国では、今後も長期間にわたってガソリン車が主要な交通手段であり続けるだろう」と述べている。同報告書は、2030年までに世界の新車販売に占めるEVの割合が40%に達すると予測する一方、ガソリン車の販売台数も依然として年間5000万台を超えると見込んでいる。

自動車メーカーの間でも、EVシフトへの姿勢に温度差がある。欧州の一部メーカーは2035年までにガソリン車の販売を終了する方針を打ち出しているが、日本のトヨタ自動車などはハイブリッド車や水素燃料電池車を含めたマルチパスウェイ戦略を採用し、ガソリン車の需要が続く市場にも対応している。

環境目標達成には課題

EVシフトの加速は気候変動対策に不可欠だが、新興国でのガソリン車需要の根強さは、国際的な環境目標の達成に課題を投げかけている。IEAは、パリ協定の目標達成には2030年までに世界の新車販売の60%以上をEVにする必要があると試算する。しかし、現在のペースではこの目標に届かない可能性が高い。

ビロル事務局長は「政府と産業界は協力して、新興国での充電インフラ整備やEVの価格低下を促進する必要がある」と強調した。また、使用済みガソリン車の排出ガス規制強化や、バイオ燃料などの代替燃料の活用も重要だと指摘している。

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