大阪公立大学と読売新聞大阪本社が実施する体験プログラム「探Qみらいファーム」は8月8日と29日、堺市中区の同大学中百舌鳥キャンパスで、5、6回目の活動を実施しました。子どもたちはバイオテクノロジーの実験に挑戦し、イネの生育状況を確認しました。29日の活動の様子を詳報します。
実験室でイネ培養に挑戦
子どもたちが集まったのは、田んぼではなくキャンパス内の実験室。農業の未来につながるバイオテクノロジー分野への関心を高めるため、「カルス」と呼ばれる細胞の塊からイネを培養する実験を体験しました。
子どもたちは菌やホコリの混入を防ぐ「クリーンベンチ」という装置を使って作業。5年の松尾芽依さん(10)は「カルスはとても小さいので、扱うのが難しかった。こうした実験からイネができるなんておもしろい」と話しました。
イネの生育を観察
実験後は、猛暑にも負けずに育ったイネの生育状況を観察。ルーペやメジャーを使って色づき具合や大きさを調べ、「根っこはどうやろ?」「太さも違うね」と話し合いました。
6年の赤堀奨一君(11)は「根がたくさんあるけど茎が細いものなど、イネがそれぞれ違っているのに気付いた。色がだんだん変わってきていて、収穫が楽しみ」と話しました。
バイオテクノロジーの研究と現状
8月の活動では、子どもたちがイネの培養実験に挑戦。生物の持つ能力や性質を利用し、生活の向上や地球環境の保全に役立てる技術を「バイオテクノロジー」と言い、研究が進められています。
例えば、青いバラは長らく「不可能」とされてきましたが、2004年にサントリーが遺伝子組み換え技術で開発に成功。大阪公立大の小泉望教授によると、遺伝子組み換えは1970年代から行われ、約30年前には商業栽培が始まったといいます。現在では害虫に強いトウモロコシや除草剤に強い大豆が世界各地で栽培されています。
日本は遺伝子組み換え作物の「輸入大国」とされ、「バイテク情報普及会」の試算では、トウモロコシや大豆の総輸入量に占める遺伝子組み換え作物の割合は9割超と推定されます。
一方、同普及会が昨年実施したインターネット調査では、20~50歳代の男女2000人のうち「怖い・悪いイメージ」と答えた人が約44%で、「良いイメージ」の約11%を上回りました。理由としては「人工的で自然ではない印象」や「健康への影響への不安」が挙げられ、「よく知らない、情報が不足している」とする人も多かったです。小泉教授は「食糧問題の解決には不可欠な技術。正しい情報を得て判断してほしい」と話しています。
「探Qみらいファーム」は、小学生が農作物を栽培しながら農業の可能性を探究するプログラムで、今後も活動を続けます。



