国連の専門機関である世界気象機関(WMO)は3日、エルニーニョ現象が、比較可能な観測が始まってからの40年間で最も強力になる恐れがあると警告した。アントニオ・グテレス国連事務総長は、世界が「極端な気象の危険地帯」にあると述べている。
WMOの見通しと影響
WMOは、この気象現象が今後数か月で「非常に強力」になり、2027年2月まで続くことがほぼ確実であると発表した。エルニーニョは年末に向けてピークを迎えるが、気候への波及効果は長く続くという。
WMOのセレステ・サウロ事務局長はスイス・ジュネーブで記者団に対し、「このままの推移が続けば、観測を開始して以来、最も強力な現象になる可能性がある」と述べた。
メカニズムと気温への影響
エルニーニョは、太平洋赤道域の中部から東部にかけての海面水温を上昇させ、風、気圧、降雨量に世界的な変化をもたらす。
海洋に蓄積された熱は大気中へと徐々に放出されるため、発生した翌年に世界の気温を押し上げる性質がある。
2023~24年に発生した強力なエルニーニョは、2024年が観測史上最も暑い年となる要因となった。サウロ氏は「この記録が破られたとしても驚くべきことではない」と付け加えた。
気候変動との関係
エルニーニョは自然に発生する現象であり、気候変動が直接の原因ではない。しかし科学者らは、化石燃料の燃焼によってすでに温暖化が進む地球の熱をさらに増幅させ、異常気象を加速させると予測している。
国連のグテレス事務総長は「エルニーニョは私たちの目の前で巨大化している」と警告。「科学の示す現実に疑いの余地はない。地球は未知の領域に入っており、海は熱を帯びている。海面水温は上昇し、気温は上がり続け、世界は極端な気象の危険地帯にある」と強調した。



