今年のノーベル文学賞は、カナダの詩人で作家のアン・カーソンさん(76)に決まった。ともに英語圏の文学に詳しい、翻訳家・文芸評論家で東京通信大特任教授の鴻巣友季子さんと、東京大准教授で翻訳家の藤井光さんに語り合ってもらった。
「かみあわないノーマ」と「赤の自伝」
鴻巣さんは「今日はアン・カーソンの新しい詩集『かみあわないノーマ』も持って来ました。そろそろ英語圏かな、と思っていました」と話す。藤井さんは「発表者が『電話したらアイスランドにいた』と言っていましたね」と応じ、鴻巣さんは「『風の音を聞いていた』と。彼女はアイスランド国籍を取得しているはずです」と続けた。
代表作「赤の自伝」について鴻巣さんは「古代ギリシャの怪物退治の物語を、BL(ボーイズラブ)のロードノベルに書き換えたような作品。数千年前と現代の最先端のカルチャーを包摂するスパンの長さを描いた。詩の形式で書かれた小説で、『詩小説』と言えばいいのかな」と解説する。
ヨーロッパ古典の継承と環境批評
藤井さんは「『赤の自伝』は30代のころに読みましたが、僕には早すぎた。でもヨーロッパの古典をこういう形で引き継ぐ人はノーベル賞に強いなという印象です」と語る。
鴻巣さんは「アン・カーソンは環境…」と続けるが、この記事は有料記事のため、ここまでとなっている。