米スペースXは28日、世界最大の宇宙船「スターシップ」をテキサス州の施設から無人で打ち上げ、初めて地球周回軌道の飛行に成功した。宇宙船は日本も参加する有人月探査「アルテミス計画」で使う月着陸船の候補で、米国が目標に掲げる2028年の有人月面着陸に向けて前進した。
トラブル乗り越え軌道到達、衛星26基を投入
宇宙船は上昇中にエンジン1基が予定より早く停止するトラブルに見舞われたものの、高度275キロの周回軌道に到達した。打ち上げから約30分後には、搭載した衛星通信網「スターリンク」の次世代人工衛星26基を軌道に投入した。
飛行時間は約3時間、当初計画から短縮
スターシップは飛行後、大気圏に再突入し、姿勢を制御しながら太平洋ハワイ沖に着水した。飛行時間は過去最長となる約3時間だったが、当初の計画では約10時間を見込んでおり、大幅に短縮した。スペースXは「エンジンのトラブルを考慮した」と説明した。
打ち上げに使用された再使用型ロケット「スーパーヘビー」も地球に戻り、メキシコ湾に着水した。
有人月着陸へ、27年にドッキング試験も
スターシップは23年から無人飛行の試験が行われ、打ち上げは今回で14回目。有人月面着陸に先立ち、27年に地球周回軌道で行われる別の宇宙船とのドッキング試験でも使用される見通しだ。