星野リゾートが展開する温泉旅館ブランド「界」は7月23日、「界 宮島」を広島県・宮島口温泉に開業した。星野リゾートとして広島県へは初進出。2026年開業、リニューアルオープン4施設のうち、界 草津に次ぐ2施設目の開業施設となる。
同施設は、瀬戸内海と島々が連なる神秘的な多島美を望み、古くから人々の信仰を集める世界遺産「嚴島神社」を抱く宮島の対岸に位置する。「見晴らしの湯で、いつくしみの凪逗留」をコンセプトに、この地に息づく豊かな自然と長い歴史のなかで、醸成された文化を尊重し、未来へと継承する温泉旅館を目指す。全館畳敷きの館内のため、素足で過ごせる開放感のなか、凪いだ海を眺めながら温泉に癒されるひとときを提供する。料金は、2名1室利用時1名あたり32,000円~(税・サービス料込、夕朝食付)。
見晴らしの湯で瀬戸内海と溶け合うインフィニティ温泉
最上階の大浴場には、瀬戸内の海と山に浸る2つの湯殿を用意する。南側の露天風呂は、目の前の瀬戸内海と湯船がひと続きに溶け合うインフィニティ温泉。海に身を委ねるような圧倒的開放感を味わえる。
北側の山並みを望む内風呂には「あつ湯」と源泉かけ流しの「ぬる湯」を完備。自家源泉の温泉は身体への浸透圧が高く、温泉成分がぐっと浸透しやすいのが特徴だ。豊富なナトリウムと塩化物イオンが肌を優しく包み、強力なベールを形成するため湯冷めしにくく、ラドンを含むため高尿酸血症(痛風)や関節リウマチへの適応症があるのも稀有な魅力。
併設の湯上がり処からも宮島の壮大なパノラマを一望でき、絶景とともに心澄み渡るひとときを過ごせる。
瀬戸内の知られざる温泉文化を再現した「石風呂」
敷地内で最も海に面した特等席に、「石風呂」を併設している。石風呂とは鎌倉時代に起源を持ち、瀬戸内地域で古くから親しまれてきた古式サウナの一種。このエリアの温泉は源泉温度が低く、湧出する湯だけでは身体を温めることが難しかったため、独自の温泉文化として石風呂が発展したとされている。最盛期には瀬戸内海周辺に約80箇所存在したものの、今ではほとんど目にする機会がない。同館では遺構調査や文献をもとに現代のくつろぎ空間として甦らせた。石風呂は石の輻射熱を利用し、身体に負担の少ない約50度の心地よい温度で、前後左右から優しく熱に包み込まれる。界の湯守りであるスタッフの指南のもと、じんわりと汗をかいた後は併設の「だんらん処」へ。かつて地域の人々が集った歴史にちなんだこの場所で、特製ジェラートを用意する。穏やかな海を前に会話を弾ませ、知られざる奥深い温泉文化を体感できる。
ご当地楽「白拍子の舞『厳島物語』」で今をいつくしむ
界ブランドのおもてなしの一環として、地域の文化を深く体験できる「ご当地楽」がある。同施設では、「白拍子の舞『厳島物語』」と題したプログラムを毎晩行う。スタッフが平安時代を彩った男装の舞姫「白拍子」と歴史の「語り部」となり、雅な歌舞を目の前で披露する。約850年前、平清盛の手によって平安の美の極みへと再建された嚴島神社。その美しさは時を超え、今もなお当時の姿を現代に留め、多くの人々を感動させ続けている。宮島の夜を彩るのは、そんな嚴島神社の成り立ちになぞらえたストーリー。平安時代に思いを馳せる雅なひとときと共にお届けする。
瀬戸内海の多島美を一望、ご当地部屋「海霧の間」
同施設の全54室は、その土地の伝統工芸や文化を滞在中に感じることができる、ご当地部屋「海霧の間」。すべての客室から、穏やかな瀬戸内海と島々が織りなす多島美を一望することができる。室内には、各客室タイプごとに柔らかなグラデーションのカーテンや、趣のある左官壁など、異なる海霧の情景を表現している。さらに、広島県備後地域が誇る高品質な「福山デニム」を用いたクッションや、香川県の高級石材・庵治石の粉を練り込んだ「庵治ガラス」の照明を配置。瀬戸内を代表する数々の伝統工芸品が美しく調和し、地域の文化を肌で感じる上質な空間に仕上げている。
驚きの演出とともに瀬戸内の味覚を味わう
広島が誇るレモンや牡蠣、お好み焼きなどの食文化を、「トロンブルイユ(フランス語で「目を騙す」「錯覚を起こさせる」という意味を持つ言葉)」の技法も取り入れた遊び心あふれる会席「安芸の海遊会席」を提供する。
夕食の幕開けは、デザートに見立てたレモンと海老や魚介のムースをあわせたキッシュ「タルトシトロン」。メインの台の物には、村上水軍ゆかりの縁起物「水軍鍋」を提供する。「八方の敵を喰らう」とされる縁起物のタコを中心に、昆布、鯛、穴子などの海の幸を贅沢に盛り込んだ。会席の締めくくりの甘味は、広島のソウルフード「お好み焼き」に見立てている。驚きが続く、見立ての技を凝らし、瀬戸内の味覚を味わうひとときを体験できる。



