北陸新幹線の敦賀(福井県)から新大阪までの延伸ルートが、福井県小浜市から京都市の桂川駅付近を通るルートに決まりました。建設費は物価高の影響で約5兆5000億円と試算され、地元負担の軽減や地下水への影響など、着工までに課題が残っています。
ルート決定の経緯と建設費
延伸ルートは平成28年に一度、小浜市から京都駅を通るルートに決まりましたが、着工が見通せない状況が続いたため、8つの案を検証し直していました。国政与党でつくる整備委員会が今回、小浜市から京都市の桂川駅付近を通るルートに決定しました。
当初の小浜・京都ルートの建設費は2兆1000億円ほどと見込まれていましたが、物価高の影響などで現在は約5兆5000億円と試算されています。
費用負担と地元の懸念
建設費は、線路などを借りるJRが支払う貸付料を充てた上で、残りの3分の2を国、3分の1を自治体が負担する仕組みです。負担が重いため、京都市などからは軽減を求める声が上がっています。
整備委員会はルート決定時に、貸付料を増やしたり国と自治体の負担割合を変更したりすることで、地元負担を減らすと表明しました。東京都などの他自治体に費用負担を依頼する案もあるとされますが、JRや他自治体から同意を得るのは簡単ではありません。
京都市は費用負担だけでなく、地下水への影響などを加えた5つの懸念を示しており、着工までにはまだ課題があります。
早期着工への期待と課題
北陸新幹線は、全国新幹線鉄道整備法に基づき整備計画が定められた北海道新幹線など全国5新幹線のうちの一つです。最初に着工されたのは平成元年で、平成10年の長野五輪前年に長野駅までが開業。平成27年に金沢駅まで、令和6年には敦賀駅まで延伸されました。
東京方面から移動しやすくなり、北陸への観光客が増えるなどの効果がありました。北陸や関西の自治体からは、大阪までの全線開業を早期に実現し、新たな経済効果を関西や西日本にももたらすことを期待する声が上がります。
ただ、沿線の京都市などでは反対意見が根強いです。整備新幹線には着工の5条件があり、地元の同意が欠かせません。国や自治体、JRには協力して地元の懸念を解消し、早期着工を実現することが求められます。



