愛嬌たっぷり「かっぱ大王像」、定山渓温泉のシンボルとしてPR
愛嬌たっぷり「かっぱ大王像」、定山渓温泉をPR

札幌の奥座敷・定山渓温泉。豊平川に沿って進み、二見公園に着くと、正面に「かっぱ大王像」が鎮座しているのが見える。全身が緑色で「王」の金色の冠を頭にかぶり、赤色のヒョウタンを左手で持ち、右手で持つ金色の杯の中は、さい銭の小銭が満杯だ。

かっぱ大王像の誕生秘話

かっぱ大王像の「生みの親」は、札幌市出身の漫画家・おおば比呂司氏(1988年死去)だ。ライバル・登別温泉が「地獄まつり」を始めたことに対抗すべく、定山渓温泉の関係者がアイデアを求めて相談したことが出発点となった。

おおば氏は「定山渓の山と川の美しさに似合う」と、かっぱをイメージした祭りを提案。「かっぱの一族が(祭りの夜に)浮かれ出て群れをなして踊り狂う」と漫画を描いて構想を披露すると、「妖怪が主役では……」と、当初は及び腰だった協会役員も乗り気になった。

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第1回かっぱ祭りから現在まで

「第1回かっぱ祭り」は1965年に開かれ、三沢あけみさんが歌う「かっぱ音頭」に合わせて1000人が温泉街を踊って練り歩いた。高度成長期の波に乗り、予算1000万円をかけての一大イベントとなり、手塚治虫氏や馬場のぼる氏ら人気漫画家のサイン会も開かれた。

かっぱ大王像は、おおば氏のデザインをもとに翌66年に誕生した。札幌軟石の像で、一見恐ろしげだが、表情はユーモラスで愛嬌もたっぷりだ。

メルヘン像と地域キャラクター「かっぽん」

以来、かっぱは定山渓のシンボルとなっていく。91年頃までに道内外の彫刻家による「メルヘンかっぱ像」約20体が温泉街各所に登場。2005年に祭りの歴史の幕は閉じたが、かっぱ大王を尊敬するという地域キャラクター「かっぽん」がPR隊長となって盛り上げる。札幌市南区長に特別住民票まで交付された。

青年が川に引き込まれて行方不明となり、1年後、父の夢枕で「かっぱの妻と子と幸せに暮らしている」と告げた――。定山渓にある「かっぱ淵」に残る伝説だ。かっぱは水の神の化身で、水難防止、商売繁盛、子宝や縁結びなどの御利益があるといわれる。

海外客にも人気、観光スポットとして

観光協会の高野紀康さん(52)は「最近では『キング・オブ・カッパ(かっぱ大王)は、どこにあるか?』と尋ねてくる海外客もいる。定山渓は札幌市の貴重な水源で、かっぱ大王が見守ってくれている。人間で言えば還暦の年頃だが、ますます若々しく活躍してほしい」と話した。

定山渓温泉は、JR札幌駅発のバスに乗って約1時間。温泉街の入り口にある「願かけ手湯」で、かっぱの家族が迎えてくれる。「かっぱ大王像」がある二見公園に向かう途中にある定山源泉公園では、温泉卵を作れる「おんたまの湯」もある。※二見公園は来年度末まで工事の予定

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