楽天モバイルの強制解約撤回、インフラ企業の自覚不足が露呈
楽天モバイル強制解約撤回、インフラ企業の自覚不足露呈

携帯電話は日常生活に欠かせない社会インフラとなっている。災害時に利用できなければ命に関わることもある。そのサービスを事業者が一方的に強制解約するなど、あってはならない。

楽天モバイルは8月末、楽天グループ共通のIDを取得・連携しないと、11月末で通信サービスを強制的に解約すると表明した。しかし、それから2週間で撤回に追い込まれた。契約条件の一方的な変更は利用者への影響が大きいとして、総務省が調査を検討していた。

強制解約の狙いと撤回

強制解約の措置は、日常生活のさまざまなサービスを提供する「楽天経済圏」に携帯利用者を囲い込み、ネット通販サイト「楽天市場」などグループ他サービスの利用を促す狙いがあった。すでに新規契約者についてはID連携を必須としている。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

民間企業である以上、自社サービスの利用促進を狙うのは当然だ。だが、自社の方針に従わないからといって、何の落ち度もない既存契約者のサービスを一方的に打ち切ろうとしたのは乱暴に過ぎる。強制解約措置の撤回は当然だ。

インフラ企業としての自覚

社会インフラを担う企業として、重い責任を負っているとの自覚が足りないのではないか。猛省を求めたい。

強制解約措置は8月末からホームページなどで周知していた。通信サービスが利用できなくなるだけでなく、電話番号も失効するなどとしていた。撤回に伴い、楽天モバイルはホームページに「お客様にご心配をお掛けした」とするお詫びを掲載した。撤回の理由については「改めて社内にて検討した結果」としている。

携帯事業の赤字続く

大手携帯電話事業者として最後発となる楽天グループは、携帯電話事業が業績の足を引っ張る状況が続いている。令和8年6月中間期の業績は、中間期として7年ぶりの営業黒字になったが、携帯電話事業は依然として赤字で、好調なネット通販事業や金融事業で補う収益構造に変わりはない。

業績を改善しようと、グループの他サービスの利用を促そうとする戦略なのだろうが、そのために必要なことは、利用したいと思ってもらえる魅力的なサービスを生み出す以外にないはずだ。今回の反省を踏まえ、改めてサービスの充実に努めてもらいたい。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ