Appleは9月10日未明(日本時間)、同社初の折りたたみスマートフォン「iPhone Duo」を発表した。10月16日21時に予約を開始し、10月23日に発売する。価格は36万4800円(256GBモデル)からで、最上位の2TBモデルは57万4800円となる。カラーはナイトスカイとスターホワイトの2色をそろえる。
一方、サムスン電子の「Galaxy Z Fold8」は8月7日に発売済みで、SIMフリー版の価格は26万9880円(256GBモデル)から。同じ256GBで比べると、両者の差は約9万5000円になり、iPhone Duoの高さが際立つ。
画面形状の違い
iPhone Duoのインナーディスプレイは7.6型で、解像度は1878×2670ピクセル。アウターディスプレイは5.4型で、解像度は1398×2034ピクセルとなる。縦横比にすると、どちらも約1:1.4となる。
Appleはこの点を製品ページで「アウターディスプレイもまったく同じアスペクト比なので、どちらで観てもコンテンツが画面いっぱいに広がります」と説明している。開いた状態と閉じた状態で、表示の形が変わらないことを売りにしているわけだ。
対するGalaxy Z Fold8は、メインディスプレイが7.6型で1848×2448ピクセル、カバーディスプレイが5.5型で1248×1972ピクセル。メインは4:3、つまり約1:1.33で、iPhone Duoよりもわずかに正方形へ近い。カバーは10:16の約1:1.6となり、iPhone Duoのアウターディスプレイより縦に長い。
ただし、一般的なスマートフォンの画面は19.5:9、つまり1:2.1前後の縦長だ。1:1.6も1:1.4もそこからは離れており、どちらも閉じた状態で従来のスマートフォンと同じ感覚になるわけではない。両者の違いがはっきり出るのは、開閉で表示の形が変わるかどうかだろう。
iPhone Duoはカバーディスプレイとインナーディスプレイのいずれも、右端にドックや操作パネルを配置しており、コンテンツのアスペクト比が、従来のスマートフォンと大差ないよう工夫している。アプリ側の対応が必要だが、これが進めば、iPhone Duoの方が多くのアプリを適切に使えるといえそうだ。
厚さと重さ
iPhone Duoのボディーサイズは、開いた状態で164.6(幅)×117.8(高さ)×5.2(厚さ)mm、閉じた状態で84.1(幅)×117.8(高さ)×11.3(厚さ)mm。重量は254gで、フレームにはグレード5チタニウムを使っている。
対するGalaxy Z Fold8は、開いた状態で約161(幅)×124(高さ)×4.5(厚さ)mm、閉じた状態で約82(幅)×124(高さ)×9.7(厚さ)mm、重量は約201gだ。フレームはアーマーアルミニウム、背面はGorilla Glass Victus 2、カバーディスプレイにはGorilla Glass Ceramic 3を採用する。
薄さも軽さもGalaxy Z Fold8が上回る。開いた状態での厚さは0.7mm、閉じた状態では1.6mmの差。重量差は53gある。一般的なスマートフォンの重さは180g前後から220g程度なので、53gという差は大きい。
一方で、防水・防じん性能はiPhone Duoが上回る。iPhone DuoはIP68等級で、最大水深6mで最大30分間の耐水性能を備える。Galaxy Z Fold8はIPX8とIP4Xで、防水については水深1.5mで約30分間使用できる。折りたたみ機構を保ちながらIP68に対応した点は、iPhone Duoの強みといえる。
生体認証
iPhone Duoの生体認証は、サイドボタンに内蔵されたTouch IDを用いる。Apple公式の技術仕様に「Face ID」や「TrueDepthカメラ」の記載はなく、Face IDは搭載していない。
iPhoneでサイドボタン式のTouch IDというと、iPad AirやiPad miniと同じ方式になる。Appleはこの選択について、発表資料で「Touch IDがサイドボタンに組み込まれているので、iPhone Duoが開いていても閉じていても、簡単で安全かつ一貫した認証ができます」と説明している。開いた状態と閉じた状態で同じ認証方法が使えることを、売りとして挙げている。
ここで気になるのが、インナーディスプレイのカメラ構成だ。iPhone Duoのインナー側は「アンダーディスプレイFaceTimeカメラ」で、画面の下にカメラを埋め込んでいる。Appleは「必要になるまで隠れているので、表面には視界を遮るものが一切ありません」としており、切り欠きもDynamic Islandも置いていない。
Face IDにはドットプロジェクターや赤外線カメラを含むセンサー群が必要になる。単体のカメラを画面の下に隠すのと、この一式を隠すのとでは難度が違う。インナーディスプレイを「遮るものが一切ない」画面にすることを優先した結果、Face IDを見送ったという読み方もできるだろう。
もっとも、アウターディスプレイ側は12MPのセンターカメラなので、そちらにFace IDを載せる余地はあったはず。それをしなかったのは、開いたときと閉じたときで解除方法が変わってしまうからかもしれない。
対するGalaxy Z Fold8は、側面の指紋センサーに加えて顔認証にも対応する。開閉のどちらでも同じ指紋センサーを使う点はiPhone Duoと変わらない。加えて、Face IDほどのセキュリティ強度はないとはいえ、顔認証という選択肢も残っており、その分だけ融通は利くだろう。
実用上の差が出そうなのは、机に置いたまま解除したい場面や、手が濡れている場面だ。Face IDに慣れているiPhoneユーザーにとっては、Apple Payやパスワードの自動入力といった日常の操作の作法が変わることになる。買い替えでネックになる変更点は、意外ここかもしれない。



