Appleからついに折りたたみiPhone「iPhone Duo」が発表されました。日本市場での価格は36万4800円からと、かなり高価ですが、競合するライバル製品に対しての優位性もあり、フォルダブルスマートフォンのユーザーを一気に広げるものになりそうです。
フォルダブルスマホ市場の歴史
フォルダブルスマートフォンが市場に初めて登場したのは2019年の2月のこと。Samsungが「Galaxy Fold」を、Huaweiが「Mate X」を相次いで発表しました。しかし、どちらの機種もディスプレイの不具合の検証に時間がかかり、発売は半年以上遅れました。
夢のようなデバイスとして喧々諤々とデビューしたものの、ディスプレイを折り曲げる技術の難しさを再認識させられた出来事でした。その後は参入メーカーが相次ぎ、今では大手メーカーの多くがフォルダブルスマートフォンを出しています。しかし、スマートフォン全出荷台数に対する折りたたみスマートフォン(フォルダブル型+縦折りのフリップ型)の割合は数パーセント程度であり、ニッチな製品の域にとどまっています。
横折り型の新モデルが続々登場
ところが2026年に入ってから、フォルダブルでも新しい形状のモデルが相次いで登場しており、フォルダブルスマートフォンに対する注目度が急速に高まりつつあります。
先陣を切ったのはHuaweiで、2026年4月に「Pura X Max」を発表しました。閉じるとパスポート型の形状、開くと横ワイドという、これまでにはない新しいデザインの製品です。Huaweiは前年に一回り小さな「Pura X」も販売しており、折りたたみスマートフォン市場に新風を吹き込みました。なお、Pura X Maxは可変絞りを広角カメラに搭載するなど、高性能なトリプルカメラを採用しており、スタイラス入力にも対応します。
このHuaweiの後を受け、Samsungは8月に「Galaxy Z Fold8」を、Xiaomiは9月に「Xiaomi 18 Fold」を発表しています。横ワイドの折りたたみスマートフォンが一気に増えました。Huawei、Samsungのモデルは発表直後から注目を集め、販売は各国で好調、日本でもGalaxy Z Fold8ユーザーが増えているという話も聞かれます。またXiaomiの製品は発表に先駆けてベルリンで開催された「IFA 2026」で公開されましたが、こちらも多くの来場者から注目を集めました。
横ワイド型のメリットとiPhone Duo
横ワイドの形状は今までの横折り型と比べ、開いたときの画面アスペクト比がほぼ4:3であり、写真や動画もほぼ全画面表示で見やすく高い没入感を得られます。また2つのアプリを左右に開いても無理のない大きさになるため、マルチタスクもはかどります。
閉じた状態はパスポートサイズなので片手で持つのも苦になりません。横折り型フォールド、縦折り型フリップに続く「第三の折りたたみ」形状といえるわけです。
iPhone Duoはこれら新しい形状のフォルダブルスマートフォンであり、これまでのiPhoneの画面サイズに満足できなかったユーザーを引き付けるでしょう。Apple Pencilによる手書きにも対応し、iPad miniの小型版として手軽にメモやイラストなどが書き込める「電子手帳」的な使い方も可能です。新しい形状はケースメーカーにとっても魅力的で、これまでにはないデザインやアイデアの採用で差別化を図ろうとしています。
市場への影響
iPhone DuoはApple唯一の折りたたみモデルです。仮にiPhone販売総数の10%がiPhone Duoになるだけでも、2430万台となります。ちなみに全世界の折りたたみスマートフォン全ての2025年の出荷台数は1820万台だったので、Appleだけで折りたたみスマートフォン総出荷台数の5%を超える計算になります(数値はOmdia調査)。
実際はiPhone Duoはもっと売れるでしょうから、世界の折りたたみスマートフォン市場で圧倒的なシェアを確保し、今後折りたたみスマートフォン関連市場はAppleを中心に成長していく可能性があるでしょう。



