芝浦工大の計算手法「Ozaki Scheme II」、NVIDIAのCUDA Toolkit 13.4に採用
芝浦工大の計算手法、NVIDIA CUDA Toolkit 13.4に採用

芝浦工業大学は9月30日、同大学システム理工学部の尾崎克久教授らが開発した計算手法「Ozaki Scheme II(尾崎スキームII)」が、NVIDIAの「CUDA Toolkit 13.4」に採用されたと発表した。AI向けGPUが得意とする低精度演算を組み合わせることで、科学技術計算などで必要になる倍精度(FP64)相当の計算を高速化する技術となる。

低精度演算を活用する新方式

近年のGPUはAIで多用される低精度演算の性能が大幅に向上している一方、科学技術計算ではFP64が必要になる場合も多い。Ozaki Schemeは低精度演算を複数回組み合わせることで、FP64と同等の精度を持つ結果を導き出し、GPUの低精度演算性能を高精度計算にも活用できるようにするというもの。

cuBLASへの採用と自動選択

2012年発表の「Ozaki Scheme I」は2025年にNVIDIAの行列演算ライブラリ「cuBLAS」に採用済み。今回CUDA Toolkit 13.4に導入されたOzaki Scheme IIは整数の剰余を利用するなど異なる方式を採用し、ワークロードに応じて適切な方式が自動選択される。

「富岳NEXT」での活用方針

また、スーパーコンピュータ「富岳」の後継となる「富岳NEXT」でも、Ozaki SchemeによるFP64行列演算のエミュレーションを活用する方針が示されている。AI向けに強化されたGPUの低精度演算器を、ハードウェアを変更することなく科学技術計算にも活用できるのが同技術の特徴となる。

対応GPUと性能

NVIDIAの公開資料によると、Ozaki Scheme IIはAmpere世代以降のGPUに対応。B200では実数の倍精度行列積で最大175TFLOPS、複素数では最大295TFLOPSを達成した。次世代GPUアーキテクチャのRubinでも利用でき、CUDA 13.4では開発者向けプレビューとして提供される。