名古屋のドローン企業が防衛産業へ参入、デュアルユース企業を宣言
名古屋のドローン企業が防衛産業へ参入、デュアルユース企業を宣言

名古屋市のドローン企業「プロドローン」が2026年に「デュアルユース(軍民両用)テック企業」を宣言し、防衛産業に本格参入した。防衛省・自衛隊が取り組む「新しい戦い方」に向けた能力の開発・生産の行方は、ドローンや人工知能(AI)などの最先端技術をもつ民間企業に負うところが大きい。

「SAMURAI防衛協議会」にスタートアップ50人以上が集結

7月末、名古屋市内で「SAMURAI(サムライ)防衛協議会」という会合が開かれた。ドローン生産などに携わるスタートアップ企業の関係者ら50人以上が集まり、講師役の土本英樹・元防衛装備庁長官の話に熱心に耳を傾けた。

同協議会の仕掛け人は、名古屋市のドローン企業「Prodrone(プロドローン)」の戸谷俊介社長だ。プロドローンはもともと無線操縦ヘリの製作を原点に、民生分野での産業用ドローンを主軸として成長した企業だが、2026年にデュアルユース企業を宣言して防衛産業に本格参入した。無人ヘリなどのドローン開発で実績を上げ、防衛省・自衛隊が有望視しているドローン企業の一つと言える。

「枯れた技術」で異次元のコストダウンを実現

プロドローンの強みは、ものづくりの盛んな愛知の町工場として培ってきた技術力だ。無線操縦ヘリの開発で培った技術を強みとしている点が、既存の大手企業の開発手法とは全く違うという。

戸谷氏は「『先端技術ではなく枯れた技術』で作るのが特徴。古い技術とはつまり、安い、壊れにくい、修理しやすい。結果、異次元のコストダウンを実現し、長距離飛行でも燃費が良く修理しやすい丈夫なドローンが実現した」と語る。

例えば、同社の主力製品の一つ、無人ヘリ「GT-M」は、エンジンの排気量は32ccと草刈り機並みだが、約3時間の長時間飛行が可能で最高時速は135キロ。秒速20メートルの風速の中でも安定した飛行ができる。1機当たりの価格は約200万円で「他国の無人ヘリに比べ、10分の1から20分の1の価格」(戸谷氏)という。

政府も国産ドローン開発を強力に後押し

国産ドローンの生産には、政府から強力な後押しがある。高市政権は7月に閣議決定した日本成長戦略で、ドローンについて「将来にわたって防衛省に供給できる基盤の構築を目指す」と掲げ、「民生分野において30年時点で8万台の機体・重要部品の供給を確保し、この基盤を防衛分野においても活用することを目指す」と具体的な数値目標を記した。