血管を損傷する血糖値と血圧の上昇を防ぐには、食後に体を動かすことが効果的だという。医師の池谷敏郎さんは「血圧と血糖値の上昇を抑えるには、食後に体を動かすといい。私が長年推奨しているのが、通常のウォーキングよりも運動量が2~3倍あり、4、5分行うだけでウォーキング10分間と同等の運動効果が得られる『ゾンビ体操』だ」と話す。
血管の酸化を防ぐ「サビ取り部隊」
活性酸素が発生することで血管は著しくダメージを受ける。このダメージにストップをかけるのも、運動がもたらすメリットの一つだ。
活性酸素は、ストレス、紫外線、喫煙、そして加齢によっても過剰に発生する。この活性酸素が暴走して血管の壁(内皮細胞)を攻撃し続けると、血管が硬くなったり、内側にプラーク(コブ)ができたりしてボロボロになってしまう。この状態を「酸化ストレス」と呼ぶ。
しかし、人間の体は、このサビを防ぐための「サビ取り部隊」を生まれながらに持っている。それが「抗酸化酵素(SODなど)」だ。この酵素たちが体内をパトロールし、暴走する活性酸素を無害な水などに変えて、血管を守ってくれている。
「強い防衛スイッチ」が入るメカニズム
ただ、このサビ取り部隊は、年齢とともに少しずつ減って弱くなってしまう。そこに福音をもたらすのが運動だ。
運動をすると、体内で「強い防衛スイッチ」が入るメカニズムが働くという。運動によって活性酸素が一時的に増えるが、それに応答して抗酸化酵素の働きが強化され、血管を守る力が高まると考えられている。
血管の構造を太く、たくましくする
運動は血管の構造自体も改善する。血流が増えることで血管の内壁に適度な刺激が加わり、血管が太く、たくましくなる。これにより、血圧の上昇を抑える効果が期待できる。
また、運動は血糖値の上昇を抑える効果もある。食後に体を動かすことで、筋肉が糖を消費しやすくなり、血糖値の急上昇を防ぐことができる。
「30分に1回、ただ立ち上がるだけ」
池谷さんは、運動の効果を高めるために、座りっぱなしを避けることも重要だと指摘する。「30分に1回、ただ立ち上がるだけ」でも、血流が改善し、血糖値や血圧の上昇を抑える効果があるという。
「その場で足踏み」で血圧が下がる
さらに、「その場で足踏み」をするだけでも血圧が下がる効果が確認されている。軽い運動でも、継続することで血管の健康維持に役立つ。
血圧&血糖値を下げる「食後のゾンビ体操」
池谷さんが勧める「ゾンビ体操」は、その場で腕を振りながら足踏みをするような、簡単な動きだ。これを食後に行うことで、血糖値と血圧の上昇を効果的に抑えることができる。運動量は通常のウォーキングの2~3倍で、4、5分でウォーキング10分間と同等の効果が得られるという。
この習慣を30年間続けている池谷さんは、血管の健康を維持するために、食後の「ゾンビ体操」を日常に取り入れることを勧めている。



