ニチレイ障害、サイバー攻撃常態化に備えよ
ニチレイ障害、サイバー攻撃常態化に備えよ

企業に対するサイバー攻撃が常態化している。危機意識を高め、防御態勢を強化しなければならない。

冷凍食品大手のニチレイは今月13日、サイバー攻撃によるシステム障害が発生したことを明らかにした。同社は外食チェーン向け業務用冷凍食品などを手がけ、低温物流の中心的存在で、取引先企業は約5000社に上る。

このためスーパーの弁当欠品や給食の献立変更、回転すし用ネタの納品遅れなど被害が広がった。17日から出荷業務を順次再開しているが、物流企業が攻撃を受けた際の打撃の大きさを改めて示した。

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ロシア系ハッカー集団が犯行声明

ロシア系ハッカー集団は21日になって犯行声明を出し、ランサムウェアで盗んだと主張する従業員の個人情報など社内データの一部を公開した。犯罪集団の脅しに屈せず、毅然と対処すべきだ。

ニチレイには記者会見を求める声がある。影響の広がりを考えれば、平時から説明責任の果たし方を考えておく必要がある。

相次ぐサイバー攻撃

昨年から一般消費者に幅広く被害が及ぶサイバー攻撃が相次いでいる。ビール・飲料大手のアサヒグループホールディングスは昨年9月、サイバー攻撃を受け、全商品の出荷再開までに約半年を要した。事務用品通販大手のアスクルも昨年10月にシステム障害が発生した。

生成AIが高度化し、サイバー攻撃が巧妙になる恐れも高まっている。どの企業も攻撃を受ける可能性があるという意識を徹底することが重要だ。

防御策の徹底と事業継続計画

安全対策ソフトなどを最新に保つほか、通信環境の防御策の徹底、早期検知システムの整備などは必須だ。被害発生時の事業継続計画の練り直しも欠かせない。

アサヒは対策の甘さを反省し、情報セキュリティーとITの部門を分離し、監督機能を高めているという。企業同士で対策の知見を共有することも大切だ。

政府の連携が課題

能動的サイバー防御関連法では電力や金融などを基幹インフラ事業者として指定し、サイバー攻撃の被害を未然に防ぐ取り組みを強化している。しかし、ニチレイやアサヒなどは対象外だ。

国民生活への影響の大きさを考えれば、物流関連業者が攻撃を受けた際にも、政府は情報を収集しながら緊密に連携し、対処策を検討すべきではないか。

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