センバツ野球でDH制導入も総得点減少、各校が模索する「10人目」の活用戦略
DH制導入でもセンバツ総得点減、各校が10人目の生かし方模索

DH制導入でも総得点が減少、選抜高校野球で各校が「10人目」の活用模索

2026年4月1日、4年ぶりの近畿勢対決となった選抜高校野球の決勝戦が行われ、大阪桐蔭高校(大阪)が智弁学園高校(奈良)を終盤に突き放し、選抜最多に並ぶ5度目の優勝を達成した。甲子園での決勝戦は10戦負けなしという記録を更新し、春夏通算の優勝回数は中京大中京高校(愛知)の歴代最多記録11回まであと1回に迫った。一方、智弁学園は打線が6安打に抑えられ、2016年以来10年ぶり2度目の優勝を逃す結果となった。

DH制の導入で投手負担が大幅に軽減

今大会では、延べ62校のうち56校が指名打者(DH)制を採用。今春からの導入決定から8か月という短い準備期間の中で、各校は手探りで「10人目」となるDHの生かし方を模索した。優勝した大阪桐蔭は、腰痛で調整が遅れた谷渕選手をDHとして4番に据え、智弁学園は相手投手などに応じて選手や打順を頻繁に変更するなど、多様な戦略が展開された。

全体の傾向として、DHの打順は6番以降が約7割を占めた。打力向上が予想されたものの、総得点は昨年の285点から231点に減少。しかし、これまで公式戦で出番のなかった選手が多くプレー機会を得るなど、新たな可能性が開かれた側面もある。

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打席に立たなかった投手の負担は大幅に軽減され、3度の完投を含む5連投を経験した智弁学園の杉本投手は「疲労感が全然違った」と新ルールに感謝の意を表明。過度な連投が懸念される一方、酷暑の夏場にはより有効性が増すと期待されている。

「大谷ルール」の活用は限定的、戦術の変化も顕著に

一方、先発投手がDHを兼ねる「大谷ルール」は、再登板できない点がネックとなり、活用したのは1校のみに留まった。投手層が薄いチームや少人数のチームは、DH制の恩恵を受けにくい状況が浮き彫りとなった。また、育成年代で投手や打撃に専念することで将来の可能性が狭まることを懸念する指導者も少なくない。プロ野球のような「打撃職人」が現れるかは未知数だ。

攻撃面では、戦術の変化が明確に見られた。1回戦では花咲徳栄高校が一死満塁から遊撃ゴロで2点を奪い、準決勝でも大阪桐蔭が一死三塁から二塁ゴロで決勝点を挙げた。いずれもスクイズが想定される場面だが、導入3年目を迎える低反発バットを巧みに利用し、ゴロを転がして試合を決めるプレーが目立った。

指導歴が半世紀に及ぶ専大松戸高校の持丸監督は「スクイズなんて、今はもうほとんどないね。低反発バットになって野球が変わった」と指摘。大阪桐蔭は一度もスクイズを試みずに頂点に立った。球児たちがルールや用具の変化にいかに適応していくかも、高校野球の醍醐味の一つと言えるだろう。

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