巨人軍三軍選手、知覧特攻平和会館で同世代の遺影に触れ野球への感謝を深める
宮崎県都城市で春季キャンプ中のプロ野球・読売巨人軍の三軍選手たちが、鹿児島県南九州市知覧町にある知覧特攻平和会館を訪問しました。この見学は、将来の希望を捨てて戦地に散った同世代の特攻隊員の遺品に触れることで、平和の尊さと野球ができることへの感謝をかみしめる機会となりました。
特攻隊員の遺影と絶筆に静かに目を向ける
会館は太平洋戦争中に旧陸軍の特攻基地となった知覧飛行場跡に位置し、1945年3月から7月にかけての沖縄戦における特攻作戦で戦死した1036人(17歳から32歳)の遺影や遺書、手紙などを展示しています。巨人軍では、かつて一軍の原辰徳・前監督が宮崎秋季キャンプ中に選手とともに訪問したことをきっかけに、三軍も駒田徳広・前監督の時代から研修の一環として訪れるようになりました。
今回は、高校卒業後3年以内の選手10人が休養日の13日に来館。冒頭では、語り部の桑代照明さん(69)による講話があり、桑代さんは知覧から出撃して22歳で戦死した元プロ野球選手の渡辺静大尉が残した絶筆を紹介しました。渡辺大尉は「野球生活八年間 わが心 鍛へしくれし 野球かな」と記し、出撃3日前には父母宛てに感謝と健康を気遣う遺書をしたためています。桑代さんは選手たちに「一軍でプレーして親孝行をしてほしい」と語りかけました。
その後、選手たちは会館内を見学し、壁一面を埋める遺影や展示ケース内の遺書などに静かに目を向けました。自分よりも年下の隊員の没年齢を知り、「17歳……」と声を漏らす姿も見られ、平和の尊さを実感している様子でした。
選手たちの新たな決意と野球への思い
同行した会田有志監督は「平和の尊さを感じ、野球ができることへの感謝の気持ちを持ってほしい」と述べ、この思いは選手たちにもしっかりと伝わったようです。日大藤沢高(神奈川県)出身の田上優弥内野手(20)は初めての来館で、「何不自由なく野球ができることは当たり前ではない」と特攻隊員に思いをはせながら語りました。さらに、「これからは今までとは違う考え方で野球ができそう。野球人生はいつ終わるか分からない。一年一年を大事にやっていきたい」と決意を新たにしていました。
三軍のキャンプは高城運動公園(都城市)で27日まで続き、巨人軍は二軍も宮崎市のひなた県総合運動公園で3月1日までキャンプを行っています。この訪問を通じて、選手たちは野球への感謝と共に、平和の大切さを深く心に刻んだことでしょう。



