「クリケットのまち」を掲げる栃木県佐野市で22日、クリケット世界ランキング1位のインド男子代表と日本代表の親善試合が行われ、2149人の観客が世界最高峰のプレーに熱中した。両チームが日本で親善試合をするのは初めて。
日印国交75周年を記念した親善試合
親善試合は、日本とインドの国交樹立75周年を記念して実施された。佐野市がクリケットを通じたまちづくりを進めていることから、日本クリケット協会が誘致し、市国際クリケット場が会場に選ばれた。
クリケットは、1チーム11人で楕円形のフィールドで攻守に分かれて得点を競うスポーツ。投手が投げた球を打者が平たいバットで打ち返し、360度どの方向に打ってもよく、守備側も自由に配置できる。野球の原型と言われる。
インド代表が強打で勝利、日本は2点差まで迫る
この日の試合は、インド代表が序盤から強打を放つなど点を重ねた。後攻の日本は2点差まで迫るも逆転はできず、32―30でインド代表が勝利した。
日本代表の谷山誠選手は試合後、「インド代表と本気で戦えたのは大きな財産になった。マイナースポーツでここまで応援してもらうこともないので、非常にいい経験になった」と話した。
佐野市のクリケット普及への取り組み
日本ではなじみがないスポーツだが、世界の競技人口はサッカーに次ぐ2位とされる。特にインドでは英国の植民地時代に広まり、現在は国民的スポーツとして親しまれている。インドから日本に来て20年という佐野市奈良渕町の会社員、ダドウワル・ジョゲシュさん(42)は「クリケットはインドでは小さいときからやる一番有名なスポーツ。こんな近い距離で見られるなんて本当にうれしい」と興奮していた。
クリケットを通じたまちおこしを行う佐野市にとって、今回の試合は大きな弾みとなりそうだ。市とクリケットのつながりは2007年にさかのぼる。日本クリケット協会が競技普及のためグラウンドを探していたところ、首都圏と近いことから市を選んだのがきっかけ。普及活動も始まり、市は交流促進のスポーツに位置づけ、18年に国内初の国際規格で設計された専用球場も整備された。
国際大会のほか市民向けのイベント開催などを通じ普及を進めており、「日本のクリケットの聖地」を目指している。28年のロサンゼルス五輪で正式競技に採用されており、今後、注目が高まる可能性は大きい。
金子裕市長は「世界一のインド代表を迎え、歴史の一ページを作った。新たな交流につなげられるよう発信していきたい」と話した。



