9月下旬に米中首脳会談が予定される中、トランプ米政権が台湾への武器売却を続けるかどうかが注目されている。中台関係史が専門の五十嵐隆幸・目白大学准教授が、売却の歴史と中国の反発、米国の対応を語った。
台湾関係法が売却の法的根拠に
米国は1951年から台湾に軍事援助を提供してきたが、1979年に中国と国交を結び、台湾と断交したことで従来の援助が不可能になった。そこで米国はこの年に台湾関係法を制定し、台湾が十分な自衛能力を維持できるように武器を売れる法的根拠をつくった。
米国は戦闘機や戦車、ミサイル、艦艇、早期警戒機など幅広い装備を売却してきたが、台湾が望む兵器を売らないこともあった。1960年代後半、台湾はF-4戦闘機を求めたが、米国は中国大陸を爆撃できる能力を警戒し、より小型のF-5を供与した。近年、台湾は米国からM1A2型戦車「エイブラムス」を導入したが、かつて台湾は、狭小な台湾の防衛に大型のM1A2型戦車の運用は不向きだという結論を出していた。
米国は自らの考えで選んだ武器の売却を通じて、中国の軍事力と台湾の防衛力の均衡を調整し、台湾海峡の安定を維持することにした。
中国は内政干渉として抗議
中国は1978年の国交正常化交渉の段階から、米国の武器売却を合意に至ることができない課題としてきた。以来、中国は内政干渉だとして抗議し、売却の中止を求め続けている。ただ、1982年にレーガン政権が台湾に示した「六つの保証」で、武器売却について中国と事前協議しないと約束しており、米国側は武器売却を米中交渉の議題にはしないという暗黙の枠組みを設定していた。
台湾への武器売却が止まったこともある。対中関係を重視したオバマ政権下で、売却が停滞した時期があった。



