近大・渡辺崇仁がリーグ戦初の3安打 叔父は阪神・渡辺亮コーチ、佐藤輝明の担当スカウト
近大・渡辺崇仁が3安打 叔父は阪神・渡辺亮コーチ

関西学生野球秋季リーグ戦は6日、関大と近大の3回戦が行われ、近大の3番・渡辺崇仁(3年、鳴門渦潮)がリーグ戦で初となる1試合3安打を放った。チームは関大に5―4で敗れ、勝ち点を落として優勝争いから後退したが、その活躍は光った。

九回2死一、三塁で2点適時二塁打

3点を追う九回2死一、三塁の場面。打席に入った渡辺は、初球の外寄りの変化球を迷いなく振り抜き、2点適時二塁打とした。快音を残した打球は中堅手の横を素早く抜けていった。

渡辺は身長183センチ、体重93キロ。近大が誇る右のスラッガーだ。この日は「ダメな時は、いつもボールを見てしまってカウントがきつくなる。けれど、今日は良いタイミングで振れた」と振り返った。

叔父は阪神・渡辺亮コーチ

渡辺の叔父は、阪神の右腕として通算362試合に登板し、60ホールド、防御率2.64の成績を残した渡辺亮(現・阪神ファーム投手コーチ)だ。渡辺亮氏は、今や阪神の主砲となった近大の先輩・佐藤輝明のドラフト時の担当スカウトでもある。

「叔父がプロ野球選手」と野球を始めた時は誇りに思っていたが、レベルが上がるにつれて重圧にもなったという。「なかなか叔父に見せられる成績じゃなかった」と話す。

春季リーグの不振から秋季リーグで好調

春季リーグでは開幕戦でスタメンに起用され2安打を放ったが、その後不調に陥り打率1割台で終わった。リーグ優勝を占う一戦となった5月の関大4回戦には出場さえできなかった。

しかし、この秋季リーグは一転して9試合のうち7試合で安打をマーク。ここまで34打数10安打、打率2割9分4厘、4打点、1本塁打と好調を維持している。

春の悔しさを踏まえ、打席での構え方を変えた。先輩の佐藤や、プロ野球のソフトバンクの好打者・近藤健介が腰を低くして打っている姿を参考に、中腰の姿勢で打席に立つことで「下半身をしっかり意識して打てるようになった」という。

意識も変え、「今はもう、初球からガンガン振っていって、ダメだったらダメと切り替えられるようになってきた」と話す。松丸文政監督は「フォームを変え、少しずつ対応力が出てきている。将来はプロ? そこをめざしてやっています」と語った。

プロを意識した練習の日々

練習では、学生時代の佐藤が飛ばしていた場所をめがけて打ち込み、長打力を磨く。トレーニングでは、佐藤が残した高い数値にうなりながらも体をつくっている。

プロを意識する練習をするほど、その中で結果を残してきた叔父の偉大さを感じているという。「プロは簡単に行ける所じゃない。ごく一握りの人たちしか行けない場所」と話す。

子どもの頃、叔父の応援にいった甲子園の景色を今も忘れていない。いつか、同じ場所でプロとしてプレーしてみたい。「今はまだ、体が大きいだけの選手。とにかく練習して、周りの期待に応えられるようになりたい」と、叔父に似たキリッとした目で表情を引き締めた。