欧州サッカー連盟(UEFA)、FIFA子会社計画に反発し全55協会がW杯ボイコットを全会一致で決定へ
欧州サッカー連盟、FIFA子会社計画に反発し全55協会がW杯ボイコット決定へ

欧州サッカー連盟(UEFA)は7月30日、国際サッカー連盟(FIFA)が打ち出した子会社設立計画の撤回を求め、加盟する全55協会がワールドカップ(W杯)などのFIFA主催大会をボイコットする方針を全会一致で決めたと発表した。北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)も同日、FIFAの提案について「拒否する」との声明を発表した。

FIFAの子会社計画

FIFAは7月28日、子会社「FIFAフォワード・エンタープライズ」(FFE)の設立計画を発表。W杯を含めた主催大会の運営と商業活動を担うとし、当初の株式評価額を200億ドル(約3兆2千億円)規模に設定し、最大2割の株式を投資家に売却するとしている。UEFAは声明で「W杯は売り物ではない」とし、計画が取り下げられない限り大会には参加しないとしている。

UEFAの批判

UEFAは声明で、「外部の投資家がFIFA大会の所有権を得た瞬間から、サッカーは永遠に変わってしまう。商業的な利益は永続的な義務になり、投資家の期待は重圧に変わる」と警告した。また、計画発表の過程について、加盟協会に相談がなく秘密裏に決められたことに対し、「無責任でとても正当化できない。民主的な決定ではなく、脅迫による統治だ」と痛烈に批判した。

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CONCACAFとAFCの反応

CONCACAFは29日にもFIFAの計画を疑問視する声明を発表。30日には加盟する41協会が緊急会合を開き、各協会から重大な疑義が提起されたという。CONCACAFは「提案を拒否する」としたうえで、インファンティノ会長がFIFAの規約に沿い適切に組織運営するよう求めた。ロイター通信によると、アジアサッカー連盟(AFC)のサルマン会長もFIFAの計画に激怒し、加盟47協会に送った書簡で「全く受け入れられない」と訴えたという。

背景と影響

FIFAに加盟する211協会のうち、26%の55協会をUEFA加盟が占める。最新のFIFAランキングでは、世界トップ20のうち男子・女子ともにそれぞれ11協会がUEFAに加盟する。UEFAがW杯に出ない場合の影響は計り知れない。UEFAは加盟全55協会とともに出した声明で、「世界サッカーの守護者としてのFIFAの責務の放棄だ」と非難した。

政治的な反応

英国のバーナム首相は28日、「サッカーは投資家のものではない」とSNSに投稿。「サッカーはファンのものだ。これまでもそうだったし、これからもそうだ」と訴えた。ドイツ政府の副報道官も29日、FIFAの計画について問われ、「スポーツには極めて重要な社会的意義がある」と指摘し、「いかなる経済的利益がからもうが、大規模なスポーツイベントがファンにとって開かれたもので、社会的意義や人びとを結束させる力が維持されることが重要だ」と述べた。

トランプ氏との関係

FIFA子会社の投資家グループを主導すると名指しされているのは、トランプ氏の長女の夫クシュナー氏の弟ジョシュア氏が率いる会社だ。米紙ウォールストリート・ジャーナルは「インファンティノ氏にとって、トランプ氏の周辺との関係をさらに深める絶好の機会だ」と皮肉交じりに伝えた。インファンティノ氏とジョシュア氏は遅くとも昨年から計画について議論していたという。

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