日本男子テニスの歴史を切り開いてきた錦織圭(36)=ユニクロ=の現役最後の試合が1日、東京・有明テニスの森で行われた木下グループ・ジャパンオープン第2日で終わった。世界ランキング436位の錦織はシングルス1回戦で、同8位のフランシス・ティアフォー(米国)に4―6、4―6で敗れた。
コート上で涙、会見では笑い
試合後はコート上で松岡修造さんによるインタビューが行われ、錦織は涙を見せた。一方、記者会見では一転して報道陣の笑いを誘った。
「喪失感が一気に押し寄せた」
コート上のインタビューで錦織は「試合が終わるまで、こんなに泣くなんて全く思っていなかった」と振り返り、「終わった瞬間、5歳からテニスを始めて、これだけ積み上げてきたこの30年が終わっちゃうんだなって。本気でプレーすることはなくなる(という)喪失感みたいなものが、一気に押し寄せてきた。悲しさはやっぱり大きいです」と語った。
試合内容については「今日の試合も自分の理想のプレーにはほど遠い。やっぱり悔しいですね。こういう終わり方は。でも『やりきった』と言える思いはあるので、満足はしています」と述べた。
「負けず嫌いがなくならなくて良かった」
日本の大会で現役を終えたことについては「やっぱり日本でプレーできるのは特別なので、どうしてもここでプレーしたかった。これだけのお客さんが駆けつけて、応援に来てくれたので、これ以上のことはないですね」と話し、「でも、もうちょっと見せたかったです。いや、本当に負けず嫌いなんですね。どこかのネジが外れているんでしょうね、僕」と笑いを交えて語った。
さらに「最後までこの負けず嫌いがなくならなくて良かったと思っています。何年も自分を信じた中で、最後の最後まで諦めずにプレーできたっていうことが自分の誇りかなと思います」と締めくくった。
会見で語った心境
記者会見では「終わった瞬間はそんなでもなかった。ベンチで座っているときに、この20年、30年やってきた、積み上げてきた財産みたいな、銀行に大量にお金が入っていたのに急になくなってゼロになったような喪失感みたいなものが襲ってきました」と心境を明かした。
その上で「正確には、知識や色々な経験とか、得たものを誰かと共有したりコーチしたりはできる。ゼロになるわけでは実質ないんですけど、やっぱり自分のテニス人生が、本気でプレーすることに関しては終わりなのかっていう気持ち」と続けた。
「人生の最後まで色々なキャリアを積み上げてきて最終的に花を咲かせる人もいるし、40、50歳でさらに上に行く人もいる。それが36歳で終わるんだって。特に、ここまで苦労して頑張ってきたものを手放すのかということがあった。プラス、ちょっと今日の内容じゃ終われない、というのが大きいですかね」と語った。