10月最初の週末、アジア競技大会で日本勢がメダル最多を更新する中、2輪レース最高峰のロードレース世界選手権モトGPクラスの日本グランプリ(GP)がモビリティリゾートもてぎ(栃木県)で開催された。日本勢唯一の小椋藍選手(25)は2度目の優勝が期待されたが6位に終わった。それでも、息をのむようなバトルが観客を熱狂させた。
モトGPの魅力と小椋選手の躍進
モトGPクラスは排気量1000ccの大型オートバイで争われ、直線では時速300キロを超え、コーナーでは膝や肘が路面に触れるほど車体を倒す。世界選手権は欧州を中心に北南米、日本を含むアジアなど18か国で22戦行われ、最高峰クラスの名称から「モトGP」と呼ばれる。出場できるのは各国の選手権を勝ち抜いたわずか22人だけだ。
小椋選手は昨年からレギュラー参戦し、今年6月のオランダGPで日本人として22年ぶりの優勝を果たした。第16戦となるもてぎのスタンドでは日の丸が振られ、小椋選手が絡む抜きつ抜かれつのバトルに歓声とどよめきが上がった。
観客動員と人気の広がり
10月2日から4日までの3日間で、もてぎを訪れた観客は12万人。昨年より3万人多い。一方、今年3月に三重・鈴鹿サーキットで開かれたF1第3戦は、日本選手不在ながら3日間で31万人が訪れた。F1人気は1990年前後に沸騰し、再び復活の兆しを見せているという。
昨年のモトGPシリーズの観客動員数は史上最多の366万人を記録。フランスでは31万人、ドイツやタイなど20万人以上集まる国も少なくない。海外のレースを取材する記者によると、欧州では日常のニュースにモトGPが登場するという。
若手ライダーの登竜門と未来への期待
日本GP期間中、モトGPへの登竜門となるアジア・オセアニア地域の若手発掘・育成レース「IDEMITSU Moto4 ASIA CUP」が開催された。大阪府門真市出身の知識隼和選手(15)はレース前、「いつか2輪のモータースポーツを野球やサッカーのような人気スポーツにする、そんなライダーになりたい」と語り、土曜日の予選で1位を獲得し、1回目の決勝で優勝した。翌日は4位だったが、ランキング首位に立っている。
この取り組みは13年続き、継続的な育成支援がアジアのモータースポーツ文化の発展につながっている。今後の成長が期待される。