今季限りでの現役引退を表明しているテニスの錦織圭選手(36)(ユニクロ)が1日、東京・有明テニスの森公園で開催されている木下グループジャパンオープン男子(読売新聞社後援)のシングルス1回戦に臨み、第2シードのフランシス・ティアフォー選手(米)に4―6、4―6でストレート負けした。現役最後の試合となった一戦で、観客からは惜しみない拍手と歓声が送られた。
錦織圭、現役最後の一戦で涙
試合後のベンチでは、あふれる涙をタオルでぬぐう姿もあった。錦織選手はオンコートインタビューで「本気でプレーする機会がなくなると思うと、喪失感が一気にこみあげてきた」と打ち明け、「みなさんの応援があって、ここまでできた」と感謝を口にした。
2012年、14年と過去に2度優勝している今大会を現役最後のツアー大会と位置づけ、「日本で最後に試合ができるのは、ボーナスみたいなもの。コート上で悔いなく終われるようにしたい」と話していた錦織選手。持ち味の両手バックハンドの強打や、鋭いコースへのサービスエースなどを披露し、有明コロシアムを埋め尽くした大勢のファンを最後まで魅了した。
輝かしいキャリアに幕
錦織選手は松江市出身。5歳でテニスを始め、2003年に米フロリダ州の名門「IMGアカデミー」にテニス留学した。07年にプロに転向し、18歳だった08年2月にツアー初優勝。四大大会は08年のウィンブルドン選手権に初出場し、14年の全米オープンで男女を通じて日本勢初の準優勝となった。15年3月に自己最高の世界ランキング4位を記録し、ツアー通算12勝を挙げた。
五輪は08年北京大会から5大会連続出場。16年のリオデジャネイロ大会で銅メダルに輝き、日本勢のシングルスでは1920年の熊谷一弥選手以来、96年ぶりに表彰台に上った。
錦織選手は5月、自身のSNSで今季限りでの引退を表明し、「これまでのすべてを振り返ったとき、『やり切った』と胸を張って言える自分がいます」などとつづっていた。