アジア大会マラソン競歩で勝木隼人が金、歩型違反を誘発する大人の戦略
アジア大会マラソン競歩で勝木隼人が金、大人の戦略で歩型違反を誘発

愛知・名古屋アジア大会は27日、陸上競技が行われ、男子マラソン競歩で勝木隼人(自衛隊)が3時間3分36秒で金メダルを獲得した。同じく諏方元郁(愛知製鋼)は銅メダル。女子100メートル障害では福部真子(日本建設工業)が12秒74で金、中島ひとみ(長谷川体育施設)が12秒78で銀。十種競技では丸山優真(住友電工)が8123点で優勝、110メートル障害では村竹ラシッド(JAL)が13秒29で2位だった。

終始先頭を譲らない盤石の歩き

終始先頭を譲らない盤石の歩きで、大勢を決して迎えた残り1周。勝木は観衆に何度も拳を突き上げ、力強くゴールテープをつかみ上げた。同じ自国開催で大声援に後押しされた昨年の世界選手権東京大会男子35キロ競歩銅メダリストは「こんな幸せな経験を2年連続させてもらっていいのかな。本当に選手冥利に尽きる」と喜びを爆発させた。

歩型違反を誘発する作戦変更

今大会へは、高速ペースで世界記録を狙う想定で準備していた。しかし、23日のハーフマラソン競歩で、両足が同時に浮くなどの歩型違反がかさんでペナルティーゾーンでの待機を強いられた選手が多発したことを受け「作戦変更した」。

出場選手が7人と少なく、ハーフ同様に審判員から普段以上の厳しい判定を受けるとみて、序盤は1キロ4分25秒のスローな入りで様子を見た。そこからじわじわとペースを上げ、「どの程度までいけば(両足が)浮いていると判断されるかを確認しながら行った」。

中盤の揺さぶりでライバルを振り切る

中盤は、4分15秒の高速ラップも織り交ぜて揺さぶりをかけ、他の選手の歩型違反を誘発。31キロ過ぎで先頭を争った中国選手を振り切ると、終盤はペースを抑えた安全運転で逃げ切り、「ベストなパターンのレース」と胸を張った。

50キロ競歩で5分のペナルティーゾーン待機から大逆転優勝したジャカルタ大会から8年。「年齢はゲームのレベルと一緒。経験値がたまってレベルが上がるだけ」。35歳のベテランが、大人の歩きで2度目の「金」に輝いた。