アジアパラ車いす200mで伊藤智也が金、大会新記録…亡き親友に捧ぐ
アジアパラ車いす200m伊藤智也が金、大会新記録

愛知・名古屋アジアパラ大会(読売新聞社協賛)の陸上競技が23日、名古屋市瑞穂公園陸上競技場で行われ、男子200メートル(車いすT51・52)で伊藤智也選手(バイエル薬品)が32秒07の大会新記録で優勝した。63歳の伊藤選手は、100メートルの銅、400メートルの銀に続き、今大会3個目のメダル獲得となった。

カーブで加速、韓国選手を0秒71差で振り切る

伊藤選手は前半のカーブでスムーズに加速し、トップで後半の直線に突入。猛追してきた韓国選手を0秒71差で振り切った。3日連続レース出走の疲労に加え、前日の400メートルで左肩を痛めていたといい、「ドクターも(出場を)あまりお勧めできないとのことでしたけど、ごり押しして出てよかったですね」と笑った。

約1か月前に親友を事故で失う

約1か月前、同じ車いす代表として長年共に戦ってきた上与那原寛和さんが練習中に事故に遭い、55歳で死去。「最高の親友であったし、最高のライバルであったし、僕の中では最高の弟であったし、家族だった」という存在を失った。

悲しみを消化できず、練習にも身が入らないまま迎えた今大会。「上与那原選手の話をしてしまうと、泣けてくる」ことから、あえて口にすることを避けてきた。心身共に疲弊していた中、最後の200メートルで金メダルを勝ち取り、「今日は本当にバルちゃんが引っ張ってくれた気がします。部屋に帰ったら写真が置いてあるんで、報告したい」と感謝の思いがあふれた。

パラリンピック5度出場のベテラン、ロサンゼルスへ決意

パラリンピックに2004年アテネ大会から5度出場した大ベテランは「彼が背負ってきたものを、ほんの少しでも僕が走れる限り背負って、何かそれが報いになるなら全力でやっていきたい」と、2年後のロサンゼルス・パラ出場を目指して挑戦を続ける決意だ。