国際サッカー連盟(FIFA)は18日、2026年ワールドカップ期間中に選手や関係者への誹謗(ひぼう)中傷の可能性があるソーシャルメディア上の投稿を700万件以上特定したと発表した。これは2022年カタール大会の47万件から約14倍に急増しており、SNS上のヘイト対策が喫緊の課題となっている。
監視システムで5300万件以上を審査
FIFAは「ソーシャルメディア保護サービス」と呼ばれるAI監視システムを導入し、大会期間中の投稿やコメントを網羅的にチェック。対象となった投稿・コメントは5300万件以上に上り、そのうち不適切と判定されたものが700万件超だった。前回大会では同様の審査で47万件が特定されていたため、件数は約14倍に膨れ上がった。
差別的な内容が多数
特定された投稿の多くは人種差別や性差別、同性愛嫌悪など差別的な内容を含むとみられる。FIFAのジャンニ・インファンティノ会長は記者会見で「サッカーには差別を許容する余地は一切ない」と述べ、厳格な対応を強調した。具体的な処分として、該当アカウントの特定とプラットフォーム運営企業への削除要請、場合によっては法的措置も視野に入れているという。
対策強化の背景
SNS上の誹謗中傷は近年、スポーツ界全体で深刻化している。FIFAは2022年大会後に保護サービスを拡充し、リアルタイムでの監視と迅速な対応を可能にした。今回の結果は、監視範囲の拡大や検出精度の向上も影響しているが、実際に投稿数自体が増加している可能性も指摘されている。
選手への影響と今後の課題
誹謗中傷は選手のメンタルヘルスに悪影響を及ぼすことが懸念される。FIFAは今回のデータを基に、各プラットフォーム企業と連携して予防策を強化する方針だ。インファンティノ会長は「試合の結果に関係なく、全ての選手が敬意を持って扱われる権利がある」と述べ、継続的な対策の必要性を訴えた。



