大谷翔平の捕手への詰め寄り、感情のトリックで株を上げた理由
大谷翔平の捕手への詰め寄り、感情のトリックで株を上げた理由

ドジャースの大谷翔平選手が、チームメイトの捕手ラッシング選手に詰め寄る場面が話題を呼んでいる。SNSでは「怖すぎる」「チビりそう」などの声が殺到したが、その後、大谷選手の評価はむしろ上昇した。その背景には、感情の「トリック」があると専門家は指摘する。

「ガチ切れ」に見えた行動の真意

事の発端は、試合中に投手と捕手の間で球種の確認にズレが生じたこと。大谷選手はすぐにラッシング選手のもとへ歩み寄り、強い口調で何かを伝えた。一見すると「怒り」の表情に見えたが、桜美林大学ビジネスマネジメント学群教授で「見た目」戦略研究家の宮本文幸氏は、これを「目的遂行のための明確な行動」と分析する。

宮本氏によれば、大谷選手の振る舞いはラッシング選手を傷つけることが目的ではなく、具体的に修正可能な問題を正すための、目的のはっきりした行動だったという。「敵意」と「目的遂行」を区別する視点が重要だと述べている。

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「怒りの顔」は「決意の顔」とほとんど同じ

さらに興味深いのは、古典的な研究では「怒り」というカテゴリーに「決意」も含まれている点だ。両者は混同されやすく、近接した感情として位置づけられている。つまり、観客がとっさに「怒り」と分類した表情は、「決意」とほとんど同じ位置にあるものだった可能性がある。

だからこそ、その後の結果を見た人々は、事後的に「あれは怒りではなく、決意の表情だったのではないか」と解釈を更新していく。「怖い」という第一印象から「頼もしい」という評価への転換は、感情そのものが変わったわけではなく、もともと1つの表情が持っていた二重の意味のうち、隠れていたほうの意味が後から立ち上がってきた構造で説明できる。

恐怖と怒りの行動への影響

「恐怖を与える」ことと「怒りを伝える」ことは、どちらも強い感情が伴う行動だが、人を動かす方向はまったく逆だ。恐怖は人を「その場から離れよう」とする回避的な行動に向かわせるのに対し、怒りは人を「対象に向かっていこう」とする接近的な行動に向かわせる。大谷選手の怒りの表情は、「向き合う」種類の強さに見えたという。

このように、大谷選手の行動は単なる感情的な反応ではなく、チームのパフォーマンス向上を目的とした意図的なコミュニケーションだった可能性が高い。結果として、彼のリーダーシップやプロフェッショナリズムが再評価され、株を上げる結果となった。

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