【島根】決勝戦で立正大淞南が九回に3点を奪い逆転勝ち、3年ぶり4度目の甲子園出場へ 島根中央はあと一歩
【島根】決勝戦で立正大淞南が九回に3点を奪い逆転勝ち、3年ぶり4度目の甲子園出場へ

第108回全国高校野球選手権島根大会の決勝が26日、島根県出雲市の県立浜山公園野球場で行われ、立正大淞南が5―3で島根中央を下し、3年ぶり4度目の甲子園出場を決めた。全国大会は8月5日、兵庫県西宮市の甲子園球場で開幕する。

試合経過

立正大淞南は1点を追う九回、西里の適時内野安打で同点に追いつき、金城、太田の連続適時打で2点を勝ち越し、そのまま逃げ切った。島根中央は八回まで試合を優位に進めたが、あと一歩及ばなかった。

監督の言葉

島根中央の和田誉司監督は「途中まで相手を0点に抑え、こちらが先制するという最高の流れで中盤まで来た。最後はアウトを取ることの難しさや相手の粘り強さを感じる試合だった」と振り返った。

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立正大淞南の太田充監督は「失点を1点ずつに抑えられたのが大きかった。みんなが冷静にやるべきことを着実に果たしてくれた結果だ。島根代表の誇りを持ち、精いっぱい戦いたい」と語った。

主将・太田嵐の献身

立正大淞南の主将・太田嵐選手は、2点リードで迎えた九回の守り、二死で走者なしの場面で代打・北中の打球が左翼手のグラブに収まるのを見届けると、二塁のポジションからマウンドに駆け寄った。静岡県出身で、甲子園出場は幼い頃からの夢だった。伯父が立正大淞南で指揮を執る太田充監督だったことから、中学時代には「淞南で甲子園に出たい」との思いが募った。太田監督から親元を離れて島根に来る覚悟を問われても、気持ちは揺らがなかった。

2年生の時に主将を任された。太田監督には「主将がちゃんとしないと、チームはまとまらない」という考えがあり、あえて「叱られ役」を性格をよく知るおいっ子に託した。「チームの失敗は主将の責任だ」と人一倍怒られ、「お前(が主将)では勝てない」と言われたことも一度や二度ではない。昨夏の島根大会で一時、主将を外れたが、新チームになって復帰。悩んだ時、いつも支えになったのは「置かれた状況で何をすべきかを常に考えろ」という監督の言葉だった。その意図をくみ取り、チームを束ねてきた。練習のシート打撃では2番打者として、右打ちやバント、単打など勝負強さや献身的なプレーの精度を磨いた。

九回には5点目となる一打を中前に運んだ。「夢が一つかなった」と話した後、言葉を継いだ。「3年前、先輩たちが甲子園で果たせなかった勝利を、応援してくださる多くの人たちに届けたい」。新たな夢をかなえるための挑戦が始まった。(沢野有輝)

塩崎孔耀の力投

島根中央のエース・塩崎孔耀選手は今大会、5試合のうち4試合を一人で投げ抜き、球数は全部で530球に上った。「悔しい」としゃがみ込んだまま、しばらく立ち上がれなかった主将のもとへチームメートが歩み寄る。促され、向かった三塁側の応援席。最後まで声援を送り続けてくれたスタンドへ深々と頭を下げた。

誰にも打ち明けなかった苦しみがある。中学2年の頃、新型コロナウイルスに感染し、以前のような味覚が思い出せない。中学時代は「食が進まない」と体重が減った時期もあったが、比較的食べられたコメや肉を中心に詰め込み、68キロまで落ちた体重を75キロまで戻した。高校では心配をかけたくない思いもあり、誰にも明かさなかったという。

疲労が残る体で上がった決勝のマウンド。ピンチを迎えた九回の場面で、「切り替えるしかない」と捕手の高木に笑みを浮かべた。しかし、この回3失点。相手打線を抑える力は残っていなかった。

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悲願達成はならなかった。「来年の夏は、自分たちを超えてほしい」。後輩たちに託した思いを口にすると、「今日は焼き肉が食べたい」と照れくさそうに笑った。(花野太一)