58校54チームが出場した第108回全国高校野球選手権岡山大会は、岡山学芸館が3年連続5回目の頂点に立ち幕を閉じた。初めて指名打者(DH)制度が導入されたことでも注目された今大会。懸命に白球を追った球児たちの夏を振り返る。
粘り勝ちで3連覇
岡山大会では2008~10年の倉敷商以来となる3連覇を果たした岡山学芸館は、3回戦以降は1点差の接戦を制してきた。強打を誇るおかやま山陽戦は延長の末にサヨナラ勝ち。真骨頂は決勝の倉敷商戦で、3点差をつけられても、中盤の集中打で試合をひっくり返した。
主将の行田は「長いイニングで考えて、負けている状況でも慌てることなく落ち着いて試合を運べた」と語る。昨秋の県大会を制した倉敷商は、準決勝までの4試合で、1本塁打を含む10安打の利川らを中心に35得点。好機を得点につなげる堅実な試合運びをしていたが、最後は2連覇中の「夏の王者」の圧力に屈した。
DH制で負担軽減
夏の大会史上初めて導入されたDH制度。上位校では、おかやま山陽の三沢が3回戦で2本塁打を放ち、倉敷商の中村祐が準決勝で3打点を挙げるなど活躍。選手層の厚いチームはDH制を使い、投手の負担を軽減し、投球に集中させるところが多かった。また、1回戦で大会タイ記録の1試合7打点を挙げ、投げては最速145キロの金光学園・岡本はDH兼投手として出場。一方、二刀流右腕・大塚颯を擁して24年ぶりに8強入りした笠岡商はDH制を使わない試合もあるなど、チームによる色も見られた。
DHとして打率4割超の成績を残し、8強入りに貢献した倉敷工・田原は「昔から守備が苦手で、制度導入はうれしかった。得意の打撃で貢献できるのはありがたい」と話しており、球児たちの活躍の場が広がっているようだった。
下級生の活躍
今大会では、最後の夏を迎える3年生とともに多くの1、2年生が躍動した。決勝を戦った両チームの先発選手20人のうち、10人が下級生。岡山学芸館は森(2年)が扇の要として全試合でマスクをかぶり、小林・森下(同)の二遊間も強固な守備でチームを支えた。倉敷商の遊撃を守ったのは1年生の川崎。小西・中村心と佐藤淳の2年生バッテリーで試合を作った。
そのほかにも、4強入りした関西の杉野や、県北勢として唯一2勝した津山の山根は、ともに2年生で二刀流としてチームを引っ張った。来春の選抜大会の選考に大きく関わる秋季大会では、先輩たちの思いを背負った彼らの活躍が期待される。



