岡山学芸館、倉敷商に逆転勝ちで3連覇 夏の甲子園出場決定
岡山学芸館、倉敷商に逆転勝ちで3連覇

第108回全国高校野球選手権岡山大会は27日、倉敷市のマスカットスタジアムで決勝が行われ、岡山学芸館が5―4で倉敷商を逆転し、3年連続5回目の優勝を果たした。全国大会は8月5日、甲子園球場で開幕する。

一進一退の激戦、中盤の逆転で決着

岡山学芸館が少ない好機をものにし、一進一退の激戦を制した。先制しながら追いかける展開となった五回、繁光の適時二塁打で1点を返し、六回は小林の適時内野安打と敵失で逆転に成功した。投げては、準々決勝、準決勝を完投していた主戦・田路が五回途中まで踏ん張り、的場が好救援した。

「お前なら絶対にやれる」と田路からマウンドを託された的場は「緊張したが、田路の言葉で覚悟が決まった。打たせて取るテンポの良い自分の投球ができた」と笑顔で振り返った。打線を引っ張る繁光は「昨夏に大敗した甲子園での借りを返したい」と意気込んだ。

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倉敷商は五回、利川の適時二塁打と川崎の適時内野安打で勝ち越したが、その後は相手投手に要所を締められた。

控え主将・行田の冷静な采配

岡山学芸館を支えたのは、控えの主将・行田凌大選手だった。「好きに暴れてこい」。試合前、そう言って藤原颯大選手を送り出すと、藤原選手も「チームのまとめは頼む」と託した。

昨年、新チーム結成当初に主将を任されたのは藤原選手だった。しかし、100人を超える部員をまとめる負担は大きく、昨秋、プレーに集中できるよう行田選手が主将の大役を引き受けた。「人をまとめるなら、まずは自分からしんどいことをやるべき」と自らに言い聞かせ、ランニングなど常に先頭に立つ姿勢を見せながら、プレーのミスには冷静に指摘した。

佐藤貴博監督は「部員の性格などを考えて発言し、自然と人が集まる、そんな存在」と信頼を寄せる。この日、三回一死満塁のピンチで伝令としてマウンドに走った行田選手は、「いい顔してプレーしよう」と声をかけ、チームは落ち着きを取り戻し無失点で切り抜けた。

藤原選手は今大会、1本塁打を含む4安打4打点の活躍。「自分ができなかったことを行田が背負ってくれている分、試合で結果を出す」と誓う。行田選手は「これからも主将として、選手ひとり一人をもり立てていく」と語り、悲願の夏の甲子園ベスト8を見据える。

父と歩んだ倉敷商・利川選手

同点で迎えた五回一死一、二塁。倉敷商の利川翔哉選手は「みんなのためにここで打つ」と強い気持ちで打席に立った。「大きい当たりでなくてもいい。何とかつなげてくれ」。父の裕司さん(44)がスタンドから見守る中、フェンス直撃の適時二塁打を放ち、二塁上で両手を何度も振り上げて仲間を鼓舞した。

裕司さんは第82回岡山大会決勝で、1点を追う九回に空振り三振に倒れ、最後の打者となった過去がある。しかし、息子が小学3年で野球を始めると、自宅にネットを張り、仕事終わりに室内練習場へ連れていくなど二人三脚で歩んだ。利川選手は「お父さんと同じユニホームを着たい」と倉敷商を選んだ。

今大会、利川選手は11安打9打点の活躍を見せたが、スランプに陥り「やめたい」と漏らした時期もあった。親子でミーティングし、「一喜一憂せずに明日からまた頑張ろう」と前を向いた。甲子園は小学生の頃から夢の場所だったが、父と同じくあと一歩届かなかった。「甲子園に連れて行ってあげたかった」と大粒の悔し涙を流した利川選手に、裕司さんは「よく頑張った。感動をくれただけで十分幸せです」と語った。

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