高校野球を「9回制」から「7回制」へ移行する議論が進んでいる。スポーツライターの広尾晃氏は、すでに中学軟式野球、硬式野球各団体、学童野球などがすべて7回制かそれ以下になっており、「7回制になったことで中学生が高校に上がって違和感を抱くことはない」と指摘する。
「7回制」移行の3つの論点
この議論には3つの側面がある。1つ目は「暑さ対策」だ。夏の甲子園では2部制が導入されているが、「9回制」のままで1日4試合を消化するのは厳しくなっている。かつて「高校野球は2時間でゲームセット」と言われたが、クーリングタイムや給水時間をこまめにとる夏季の試合はむしろ試合時間が伸びる傾向にある。
2つ目は「選手の負担軽減」だ。「7日間500球」という球数制限によって高校野球は分業が進み、1人の投手が投げる球数は減少している。しかし近年、投手の球速が大幅に上がり、投手の肩ひじへの負担は大きくなっている。
球速上昇で増える投手の負担
2024年12月に東北福祉大で行われた「日本野球学会第2回大会」のシンポジウム「投球障害予防―現場発の最新知見」では、中部大学教授の宮下浩二(スポーツ外傷・障害・バイオメカニクス)らが、球速(投球強度)の上昇と、変化球の多用によって、投手の肩ひじへの負荷は大きくなり、故障のリスクが高まっていると発表した。
一方で、日本高野連が開いた7イニング制についての第2回意見交換会が2026年6月6日に大阪市で行われたが、高野連加盟校の7割が反対している。「有利か不利か」で語る指導者たちも多く、移行の実現にはなお議論が必要な状況だ。



