福山、夏の高校野球広島大会決勝で広島商を破り、創部51年目で初の甲子園出場を決める 小田監督「優勝しても驚かない」
福山、夏の広島大会決勝で広島商を破り創部初の甲子園 小田監督称賛

夏の高校野球広島大会決勝が7月28日、広島市南区のマツダスタジアムで行われ、福山が広島商に4−3で逆転勝利し、1975年の創部以来初の甲子園出場を決めた。8月5日に甲子園球場で開幕する全国高校野球選手権大会に出場する。

試合経過

福山は2点を追う五回、渡辺の適時内野安打で1点を返すと、六回に西山、岩本、松井の3連打などで2点を奪って逆転。七回には福島の適時三塁打で追加点を挙げた。

投げては先発の来山が5回2失点と粘り強い投球を見せ、六回から救援の岩本が1失点でしのぎ、逃げ切った。広島商は二、三回に内野ゴロの間に得点したが、その後は打線が沈黙。九回に平岡の適時内野安打で1点差に迫ったが、あと一歩及ばなかった。

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監督の言葉

福山の小田浩監督は「確実に取れるアウトを一つずつ。選手の成長をすごく感じた。『君らが優勝したら世間は驚くだろうが、私はそんなに驚くことはないよ』と声掛けをしていた」と話した。

広島商の荒谷忠勝監督は「五回に1点を取られたのが大きかった。継投のタイミングも含め監督の責任。選手はよくやった。福山は自分たちのスタイルを貫き、良いチームだった」と振り返った。

攻守の要・松井捕手

福山の捕手、松井湧心選手(3年)は「僕たちは守りから流れを作るチーム」と話す。1点差に迫られた五回裏、次打者への初球に二盗を仕掛けられたが、「盗塁は警戒していた。いつでも来いと思っていた」と素早い送球でアウトにした。

続く六回表、無死二、三塁で打席に立った松井選手は「とにかく強く打つ」と強振、打球は中前へ抜けて逆転の2点打となった。ガッツポーズを繰り出した。

チームは今春就任の小田監督のもと、選手が自ら考えてプレーするスタイルに変化。松井選手は緩いプレーが出た時には仲間を叱り、雰囲気を引き締めてきた。初の甲子園が目前に迫った九回の守備では、ミットを持つ手の震えが止まらなかったが、堂々と投手をリードし、歓喜の輪を作った。「今までやってきた練習が全て報われた」と喜びをかみしめた。

広島商・小池投手の奮闘

福山に4点目を奪われた直後の七回一死三塁で、4番手としてマウンドに上がった広島商の小池遼太郎投手(3年)は「相手の勢いを止めてやる」と気持ちを高め、無失点で切り抜けた。

小池投手は中学で投手だったが、高校では外野手に。昨秋、投手への再転向を促され、「やってやる」と意気込んだ。166センチと小柄だが、食事量を増やして体重を7キロ増やし、試合終盤でも球威を落とさず粘り強く投げられるようになった。

今大会は背番号1で臨み、広陵との準決勝で完投するなどチームを引っ張った。決勝は疲れを考慮されベンチスタートとなったが、「いつかは投げるだろう」と気持ちを切らさずに備えていた。しかし、優勝には届かず、「投手が勝敗を握ると改めて感じた」と話した。

応援と歓喜

三塁側スタンドには福山の生徒や保護者ら約450人が応援に駆けつけた。応援団長を務めた野球部2年の沖希一さん(16)は「福山の応援の特長は一体感」とメガホンを手に声を張り上げた。応援曲は約20曲を用意し、準決勝からは歌詞カードを配り、声量が一段と増したという。優勝が決まると沖さんは涙を流し、「自分たちでもびっくりするぐらい大きな声で選手の背中を押せた」と喜んだ。

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試合後、福山ナインは午後4時過ぎに福山市赤坂町の母校に戻り、在校生や保護者から拍手で迎えられた。小田監督が「保護者に感謝の思いを伝えよう」と呼びかけると、ナインは家族のもとに駆け寄った。三塁手の古川智也選手(3年)は父・達也さん(55)の首に優勝メダルをかけ、「ありがとう」と伝えた。達也さんは「ついに夢をかなえたな。よう頑張った」と頭をなでてねぎらい、抱き合って共に号泣した。

古川選手は試合前、達也さんから「自分と仲間を信じろ。不安になったらスタンドを見ろ」と言われていたといい、「最終回は何度もスタンドを見て自分を勇気づけた。父に喜んでもらえて本当に良かった」と話した。