第108回全国高校野球選手権岐阜大会は28日、岐阜市のぎふしん長良川球場で決勝が行われ、中京が大垣日大に5-2で勝利した。中京は7年ぶり8度目の夏の甲子園出場を決め、来月5日に阪神甲子園球場で開幕する全国大会に出場する。
試合経過と勝利の要因
中京は一回一死一塁から鈴木悠悟選手(3年)の左中間への適時二塁打で先制。四回には無死一塁から大橋勇太選手(2年)が左中間適時二塁打を放ち、さらに橋本海翔選手(3年)の右翼への適時打でリードを広げた。七回には後藤行平選手(2年)の右中間フェンス直撃の適時二塁打などで2点を追加した。
先発の鈴木選手は9回122球を完投し、7奪三振2失点と勝利に貢献。毎回のように走者を出しながらも要所を締めた。
大垣日大は竹岡大貴選手(3年)、谷之口翔琉選手(3年)の両左腕が登板したが、中京打線につかまった。打線は七回に谷之口選手の中越え三塁打などで2点を返す粘りを見せたが及ばなかった。
鈴木悠悟の活躍
春、夏の甲子園連続出場を目指した大垣日大の前に、中京の主戦で3番の鈴木悠悟が立ちふさがった。大垣日大は準決勝・県岐阜商戦を136球で完投した竹岡大貴が中1日で先発。監督の高橋正明は「状態は良い」とマウンドに送り出した。竹岡も「自分が無失点に抑える」と意気込んだが、直球の制球が定まらなかった。
中京の監督今村陽一は試合前に「ベルト付近のボールを打て」と指示。先頭打者で打ち取られたが、左翼に鋭いライナーを放った角谷将から「直球、打てるぞ」と鈴木は背中を押された。相手バッテリーは外角中心に配球しようとしたが、2球目の直球が真ん中高めに入り、鈴木は「うまく反応できた」と一閃。打球は左中間を破り、先制点が入った。
鈴木は三、七回にも安打を放ち、9回を一人で投げきる大車輪の活躍。最後の打者の打球が左翼手のグラブに収まると、右手を天に突き上げ、仲間と喜びを分かち合った。「運動能力が高く、投打のバランスが良い」とプロ野球の球団スカウトが評価する逸材。悲願の甲子園出場を勝ち取った右腕は「ベストパフォーマンスを出して優勝する」と力強く誓った。
大垣日大・山崎智貴の奮闘
5点を追う七回、一死から投手の谷之口翔琉選手が中越え三塁打。続く山崎智貴選手(3年)は3球目の直球にバットを出し、三塁前に転がして安打にした。得点には結びつかなかったが、好機を拡大する一打にスタンドは沸き、山崎は「いいところに転がった」と笑った。
山崎選手は兄の裕貴さん(22)が甲子園でプレーする姿を見て同じ学校に進学。1年夏から先発出場し、春は2度甲子園に出場したが、夏は県大会で敗れてきた。夏に勝ち抜くため、長打を捨て、追い込まれても出塁できるようバットを短く持ち、ノーステップで打つ練習に取り組んだ。守備では内野全ポジションを守れるように強化。今大会では内野の全ポジションを守った。
3点差を追う九回、ネクストバッターズサークルで「後ろの主軸に絶対つなぐ」と待ったが、願いはかなわなかった。この日は4打席すべて出塁し3安打。「チームに助けられ、自分らしい野球ができた」と胸を張った。



