サッカーのJ1・神戸で、MF飯野七聖(29)の存在感が増している。スピードと運動量を武器に複数のポジションをこなすサイドの仕事人。相次ぐけがに悩まされてきたこれまでの鬱憤を晴らすように、ピッチを駆ける。
「生き残りました」と冗談交じりに一息
「生き残りました」。ピンポイントのクロスでチームの3点目を呼び込んだ6日の長崎戦後、取材エリアで冗談交じりに一息ついた。選手層が厚い神戸で、今季J1初出場となった8月29日のC大阪戦から3戦連続で先発。チームは3連勝し、アピールに成功しても「出た試合で結果を残せないと(競争の)スタートラインに立てない」と慢心はない。
度重なる故障からの転機
国士舘大からJリーグの群馬、鳥栖を経て2022年に神戸に加入。しかし同年秋に右ふくらはぎの肉離れで長期離脱するなど、毎年のように故障に苦しんだ。今季も開幕前に右太ももを痛め、出遅れた。
その間、自らのスタイルを見つめ直したという。攻守に鋭い出足が求められる中、以前はとにかく全力で動き回っていたが、「力の使いどころを考え、限界を見極めながらプレーするようにしている」。プレスをかけたり、相手の背後を突いたりする時はより効果的なタイミングを意識する。冷静な状況判断は、相手との駆け引きだけでなく、周りの味方を生かす動きにもつながっている。
万能性で頂点狙うチームに不可欠
主戦場は右サイドバックだが、ウィングや3バックでの起用にも応えてきた。今月11日の鹿島戦は、腰の違和感から復帰したFW武藤、今季加入したMF高橋が右サイドで先発したが、今月からアジア・チャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)も始まり、頂点を狙うチームに飯野の万能性は欠かせない。ハイレベルなレギュラー争いに「求められる役割を遂行しながら、自分の特長を出して結果につなげたい」と意気込む。



