「弓道の日」とされる10日、60歳以上限定の弓道大会が松山市の愛媛県総合運動公園弓道場で初めて開催された。四国4県から集まった115人が参加し、年齢を重ねるほどに研ぎ澄まされる「武道の神髄」を披露する場として企画された。
大会発案者と競技内容
大会を発案したのは、松山大弓道部の監督を務める宇和島市桝形町の会社役員、小早川道利さん(63)。弓道は高齢になっても続けられる生涯スポーツだが、大会に出場する選手は若者が中心だといい、「高齢者が気軽に交流し、楽しめる場をつくりたかった」と話す。
有志で実行委員会をつくり、5月に四国4県の弓道連盟に声をかけて実現した。競技は団体と個人の2種目で、1チーム3人の団体には39チームが参加。個人は「60代」「70代以上」「女性」の3部門を設けた。
最高齢88歳、意識不明から復帰した65歳も
参加者は横一列に並んで弓を構え、28メートル先の的を狙って次々と矢を放った。的中心に的中すると、観客から大きな拍手が送られた。
最高齢は松山市北土居の宇都宮正男さん(88)で、70歳の時に知人の勧めで弓道を始め、現在は週4、5回の練習を欠かさない。「この年になり、こんなに楽しめるとは思わなかった」とし、「弓の強さや矢の重さを人に合わせて変えられるのが魅力。弓を引くと、体の疲れも忘れてしまう」と笑顔を見せた。
大けがを乗り越えて参加した人もいる。新居浜市中村の曽我部義和さん(65)は、昨年5月に電気工事の業務中、油圧ジャッキが頭に当たり、1か月間意識不明となった。医師から「ベッドから出られる保証はない」と伝えられたが、リハビリが功を奏して同10月に退院した。
来年も愛媛で開催予定
約半年後に再び弓を引くようになった曽我部さんは「大会に参加できてうれしい。来年には自分本来の力を発揮できるようにしたい」と意気込んだ。
この大会は来年も愛媛で開催する予定で、以後は他県での開催も視野に入れる。小早川さんは「より門戸を広げ、弓道の魅力を知ってもらえる大会にしたい」と語った。



