兵庫県姫路市の離島にある県立家島高校の岡田勇人選手(3年)が、全国高校総体(インターハイ)の重量挙げ個人の部に出場する。同校は前身の分校時代に全国制覇した名門だが、他校との統合で来年春に閉校する。父と兄も全国総体に出た重量挙げ一家の岡田選手は「優勝して家島高校の名前をみんなの記憶に残したい」と誓う。
重量挙げ一家の伝統
岡田選手は小学生の時、父富士則さん(64)と家島高校の練習を見に行き、選手だった兄慎吾さん(26)に憧れて競技を始めた。小中学生時代、高校の練習場で高校生に交じってトレーニングを続けるうちに頭角を現し、中学3年の時に全国大会個人の部で準優勝。その後、同校に進んだ。
姫路港の約18キロ沖の家島にある同校は、1952年に姫路東高校家島分校として創設された。分校時代の70年には全国総体団体の部で優勝し、その後も全国総体にたびたび出場した。富士則さんは80年、個人の部で準優勝し、慎吾さんも2018年に出場した。
閉校決まり一心に
しかし、少子化による生徒数の減少で、昨年4月、家島、姫路南、網干の3校が統合して「姫路海稜高校」が誕生した。家島高校の現在の生徒は岡田選手ら3年生12人で、卒業する来年3月に同校は姿を消す。
廃校が決まってから、岡田選手は「先輩が築き上げた伝統を守るため、全国で活躍する」と心に決めた。顧問の原亮太教諭(33)の指導のもと、唯一のチームメート高尾雄萌選手(3年)とスクワットなどの筋トレを増やし、バーベルを頭上まで持ち上げる「スナッチ」などのトレーニングを重ねた。
鍛錬の成果で記録は伸び、2年で出場した昨年夏の全国総体は3位に輝き、今年3月の別の全国大会では優勝した。5月の県総体個人の部71キロ級でも好記録を出して優勝し、全国総体出場を決めた。
残り少ない高校生活
全国総体の重量挙げは31日から滋賀県高島市で始まる。岡田選手は本番に向け、高校の練習場で調整を続けている。校内には閉校までの登校数を記すホワイトボードがあり、もうすぐ100日を切る。岡田選手は「学校がなくなることを実感して寂しくなるが、全国の頂点に立ち、大切な思い出にしたい」と意気込む。



